Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ22)

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1 【Mr.V】ページ22

私は、初めてAに会った瞬間から【ヴィランズになるために生を受けた子】だと感じた。

出会った当初は人形のように目は虚ろで何をとらえて何を思っている事でさえ分からなかった。
しかし、スキャターと出会うと目を輝かせて彼女に飛びついた。そこで初めて言葉を発した。

『ミスター！この子の友達になってもいいですか？』
｢……え？｣

いきなり抱きつかれた人間の娘は呆気を取られながらAの腕の中に居た。何を思ったのかは知らないが、私はやっと彼女の心が開く鍵を見つけたのだと思ったのだが……それが少し厄介な事の始まりだった。

｢リクルーティングをやってみないか？｣

───────目を丸くさせるA。

｢不安か？｣

───────少し考えてから頷くA。

｢安心しろ、私も一緒に居るから｣
『いえ、スキャターとが良いです』
｢いや、それ私が不安になるやつ！｣

そう言うと、Aはヘラっと笑い、謝った。その仕草を可愛いと思うのは危険だ。彼女は容姿も良く、人前ではしっかりとした人間界では優等生のような、如何にもヴィランズに向いていないような素振りを見せ、頭が固く近寄り難いイメージをつけると、そこからドジをしてみたり、気さくに話しかけみたりとフレンドリーな一面を見せてリクルーターと4年間接している。だが、それは彼女が見せる一種のパフォーマンス(・・・・・・・)であった。