真実13 ページ14
〜Side No〜
ライブは着々と進む。出足を2winkが完全に掴んだあとは早かった。徐々に盛り上がる会場にアイドルたちのボルテージも上がっていく。
「いい感じだね。」
舞台袖であんずがAに声をかける。
「いよいよって感じかな。」
『そうですね。』
Aの表情は変わらないが口数はいつもより少ない。
あんずもそれは感じており、Aでも緊張するのかと少し驚いた。
紅月からUNDEAD、そして流星隊の番となった。
ここからRa*bitsやfine、Trickstarなどのユニットに繋げる。明るい雰囲気を持つユニットが多く、いわば流星隊はキーパーソンならぬキーユニットであった。
それは今回の運営に携わっていないあんずも理解していた。場の雰囲気を変えるにはそれなりの力がいる。強豪ユニットが集まる中でも流星隊を選択するのは流石だと感心していた時だった。
パッと照明が消え、音楽も止まった。
「えっ……?」
思わずあんずの口元から驚きと恐怖の混じった声が漏れた。まさかのトラブル……?音響や照明はAちゃんがしっかり確認していて…、いや、確認ミス?
一瞬の間にあんずの脳内は思考で埋め尽くされた。
……が、ステージからは歌声が響く。
伸びやかに、芯の強い声だった。
(高峯くん……!)
あの、高峯翠だけが歌声を止めない。それに他のメンバーも応えるかのように歌を続ける。
SUPER NOVE REVOLU5TAR!
ラスサビに入った瞬間、パッと照明が復活し、音響も復活した。
(……これ、)
静かな中から突如音楽が流れるとどうしても違和感が出てしまう。しかし、普段プロデュースのときに聞いているものとは違うバックミュージックにあんずは目を開けた。……いや、たしかにさっきのはトラブルだ。
けど、隣でニコニコと笑顔を崩さずにたっている少女はこれを見越して編曲したのか?
ライブの特殊演出だと勘違いした観客らはここ一番の盛り上がりを見せた。
「……っ!あんず先輩!」
そこに息を切らしてやってきたのは水希や出演の終わったアイドルたちだった。
『…………あら、』
涙を滲ませる水希を見下すようにAは嗤った。
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星宮 その(プロフ) - ゆのんさん» 温かいコメントありがとうございます。私自身、話の流れやオチに様々な葛藤があり、流されることもありましたがそう言ってくださりとても嬉しいです。最後までお読みくださりありがとうございました。またお立ち寄りくださると幸いです🍀 (3月31日 21時) (レス) id: 240e030cee (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - 二回目のコメント失礼します。ここまで面白い作品の評価が殿堂入りじゃないのかが不思議でなりません!とても心地よく読ませていただきました。この作品を書いて下さりありがとうございました。 (3月30日 2時) (レス) @page28 id: 69c19f3dfe (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - は〜…………一気に読んでしまいました。私は時々嫌われ系の夢小説を無性に読みたくなり、読みに来るのですが、ここまでオチに納得したのは初めてです。伏線の回収や、キャラの設定、どれもとても良かったです!面白すぎて、いつの間にか作品を一気に読んでいました! (3月30日 2時) (レス) @page28 id: 69c19f3dfe (このIDを非表示/違反報告)
星宮 その(プロフ) - Not useさん» コメントありがとうございます🤍そう言っていただけて本当に嬉しいです。また気が向いたときに立ち寄ってくださると幸いです🍀改めて、最後までお付き合いくださりありがとうございました。 (2022年12月24日 12時) (レス) id: 240e030cee (このIDを非表示/違反報告)
Not use(プロフ) - 完結お疲れ様でした。とても好きな作品の1つです。 (2022年12月23日 13時) (レス) @page27 id: e53561566d (このIDを非表示/違反報告)
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