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「お兄ちゃん、ここで何してるの?」
「本当は、かあさんをちゃんと見送らなければいけないんだ…でも、写真の中で笑っているかあさんを見たくなかった…」

いつもは心の中だけで思っていることが、不思議と自然に口から出た。
この子が相手だからだろうか。
知らない子だからこそ、この場限りの相手だからこそ、するっと話せたのかもしれない。

「…はは、ごめんな。こんなこと言ったって分からないよな」
「んー、なんのこと言ってるのかは分からないよぉ。でも、お兄ちゃんすごく悲しそう」

そう言って、女の子は僕のことをきゅっと抱きしめてくれた。
…夏だから暑苦しい。
けど、なんだか居心地が良くて。
自然と目から涙がこぼれてしまった。

「お兄ちゃんなんで泣いてるのー?」
「…なんも分かんないよ」

ぐす、と鼻をすすると、僕を抱きしめる力が少し強くなった。

「私はぁ、まだ五歳だから、お兄ちゃんの気持ちはぁ、分からないよ?だけどねぇ、いつか私がちゃんとした女の人になったらね、また慰めに来てあげるね!」
「…あり、がとう」

こんな小さな女の子相手に、僕はなにをやっているんだろう。
でも、僕の思っていること全てを吐き出せたから、こんな清々しい気持ちになっているのかもしれない。
思えば僕は自分の感情を凍らせて、じっと心を閉ざしていた。
自分のことを知ることができた。
…この小さな女の子に感謝だな。

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Leaf(プロフ) - フロチャから来ました。フロチャでは男の子が怖かったけど、この作品を読んだ後は何だか感じるものが違いますね。すごく素敵な作品でした。 (2019年1月14日 21時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
白猫のような(プロフ) - フロチャのストーリーに入り込みました! とても面白いです、更新期待しています! (2018年10月23日 21時) (レス) id: 2e8f40e4be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴葉ましろ | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2018年10月21日 14時

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