第四十話 ページ48
「ふぅー……」
「あ、リンタロウ!」
首領さんが帰ってきた。
只今エリスちゃん、と云いつつ椅子に座る。
『お帰りなさい』
「あぁ、只今」
黒服さん達に席を外すよう目で合図し、首領さんは私をちらっと見、頬を緩ませる。
『何だかお疲れですけど、何かありました?』
「嗚呼!瑠璃ちゃん、着物着替えたんだね!似合ってるよぉ可愛いねぇ!」
「リンタロウキモイ!」
「非道い!!」
デレデレで私の手を握るが、然り気無く話を逸らしたの私は気付いてるからな?
『聞いちゃ拙かったですか(小声』
「後で話すから、今は聞かないでくれるかな(小声」
『判りました(小声』
ふぅ、と溜め息を吐いて床に座り込んで絵を描いているエリス嬢の所へ行き、ぺたんと腰を下ろす。
クレヨン…懐かしいなぁ、小さい頃こう云うので色々落書きしまくったっけ。
「瑠璃も描く?」
『はい。紙とクレヨンを貸して貰えますか?』
「勿論よ!」
手元のスケッチブックの頁を四枚ちぎり、私に手渡した。
「クレヨンと色鉛筆は其処よ。自由に使ってね!」
『有り難う御座います』
誰を描こうかな。
エリス嬢を描こうか。
輪郭を描いて、瞳を描いて、綺麗な金髪とドレスを描いて……。
出来た!
出来立てホヤホヤのエリス嬢を首領さんの所に持っていくと土下座して感謝された。
「失礼します、太宰です」
「中原です」
「芥川です」
三人とも来ちゃった。
「迎えに来ました」
治さんが私の腕をさらっと掴んだ。
そして有無を云わせぬ強さでぐいぐい引っ張っていく。
「瑠璃、帰っちゃうの?」
『はい。残念ながら』
中也さんも私の背中を優しく押す。
「叉、明日も来て頂戴ね!」
立ち上がり、エリス嬢が私に大きく手を振った。
『勿論です!』
扉が、閉まる。
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ほっすぃー(プロフ) - 真紅さん» 合ってますww有り難う御座いました!m(__)m (2018年6月30日 21時) (レス) id: c50e6a0d75 (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - たまになんかクプラっぽいのがあるなぁーっておもったんですけど合っててよかったです笑 (2018年6月29日 7時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
ほっすぃー(プロフ) - 真紅さん» 返信遅れて御免なさい!コメント有り難う御座います!そうですね、クプラさん好きですw (2018年6月29日 7時) (レス) id: c50e6a0d75 (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - あの、もしかしてなんですけどクプラすきなんですか?小説と関係なくてごめんなさい (2018年6月27日 18時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
ほっすぃー(プロフ) - アリスさん» 分かります…蟹缶美味です…コメント有り難う御座います! (2018年1月29日 7時) (レス) id: c50e6a0d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほっすぃー | 作者ホームページ:
作成日時:2017年6月9日 7時