その3-1 ページ4
「おや?次は私だね」
考えるように頬杖をついた森は、ぐるりと皆の顔を見渡すと、セーラー服姿の中也を二度見した。
もちろん、その視線に気づいた中也は真っ赤である。
「エリスちゃん、何番がいい?」
「5と9!!」
「じゃあ、5番と9番、一緒にプリクラ撮っておいで」
机の上に400円置きながら小学生の子供にお使いを頼むノリで言い放つ森。
「あ、5番は私だ。」
ひらひらと、割り箸の番号が見えるように振りかざした太宰。
「9番は僕です‼‼」
樋口の膝の上で寛いでいた芥川が、光の速さで起き上がると、机の上にあった400円を取った。
「行きましょう、太宰さん。今すぐ!」
目をギラギラと輝かせた芥川は、だんだんと太宰に詰め寄る。まるで、獲物を捉えた獣の目だ。
「そうだね、すぐ行こう。私たちが行っている間、ゲームを中断させることになってしまうしね。」
そんな芥川の様子に気づいててスルーしてるのか、特にツッコむこともなく外に出る太宰。
そして、ゲーセンに向かう二人。
肩に受けた軽い衝撃によって覚醒した敦は、ついほんの一瞬の間、自分がうたた寝をしていたことに気がついた。
右肩を見ると、鏡花が敦の肩に頭を乗せて寝ている。
「疲れてるんだね、きっと」
微笑ましそうに二人を見つめながら、谷崎がそっと敦に語りかける。
時刻は午前2時。早起きでも起きない。そして、良い子はもう寝ている時間である。
ナオミが布団を持ってきて鏡花に掛けるが、なにぶん、肩は不安定である。寝づらそうに顔をしかめた鏡花を見て、ナオミはその枕を敦の肩から膝へと変える。
横になった鏡花は、寝やすいその体制に体を丸め、すやすやと寝息をたて始めた。
「太宰が戻ってきたら起こす。お前も休んでいろ、敦。」
そう言った国木田の好意に、素直に甘えることにした。
目の前にはポートマフィア。だが、今は“とある目的”のために、戦うことはないだろう。
目を閉じた敦は、またすぐに眠りについた。
「起きろ、少年‼」
遠くで、太宰の声が聞こえた気がした。
「く、国木田くんっ…。敦くんが起きてくれないよ!」
「寝させてやれ。疲れてるんだ。大体、今何時だと思っている」
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!リクエストさせていただきます!出来るなら太宰が中也に○○ドン(何でもいいですw)あと、出来るならキスまd((( あと、ポートマフィアの誰かが与謝野先生の治療を受けるwwwwでお願い出来ますか?待ってます! (2017年4月26日 18時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
進(プロフ) - 再びコメント失礼します!最高としか言いようが無いです!次も楽しみにしています! (2017年2月15日 18時) (携帯から) (レス) id: ceb3e1785e (このIDを非表示/違反報告)
由々 - とても面白い小説ですね。続き、楽しみにしてます! (2017年1月5日 7時) (レス) id: 43ad60d384 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどうしゅ(元しだれざくら)(プロフ) - 中也さんの女装ありがとうございます!できたらで良いのですが、中也さんが、太宰さんの服を着たのがみたいです!更新がんばってください!! (2016年12月26日 20時) (携帯から) (レス) id: 7cee4984be (このIDを非表示/違反報告)
火雨楼(プロフ) - この小説好きです!、出来たらで良いのですが、リクエストで太宰さんの女装を作って欲しいです。 (2016年12月24日 14時) (レス) id: d9ee4986d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユキ | 作成日時:2016年11月6日 14時