花言葉【イナズマイレブン短編】

死にたい君は【霧野蘭丸】 ページ2

蘭丸さんとAさんが…って感じです。流血表現あり。2人ともヤンデレです。

蘭丸side

君は、ずっと死にたいと言っていた。
自傷行為もして、痛々しかった。
そんな君を救いたかった。これは俺のエゴかもしれない。

霧野「…なぁ、俺と、付き合おう」
A「…ふぇ？」

こんな感じで始まった俺達の学校生活。
色々なものが、違って見えた。Aのおかげだと思っている。
…だが、それでもAの自傷行為は、止まらなかった。

A「蘭君…どうしよう…死にたいよ…」
霧野「…A…」
A「蘭君、ねぇ、もっと、もっと、愛して…愛してほしいよ…」
霧野「…ん…A、こっち向いて」

と、優しく口づけすると、Aの透明な青色の瞳から、雫がぼろぼろと零れる。
その姿は、とっても綺麗で。

霧野(あぁ…永遠に俺のものになればいいのに)

そう思い、思わず抱き締める。背中に腕を回されて、力が少し入る。
不器用な所も、全部全部、愛おしい。

A「おはよう、蘭君」
霧野「なっ！？腕、どうしたんだ！？」

両腕が、包帯でぐるぐる巻かれていた。

A「火傷、しちゃった」
霧野「大丈夫なのか？」
A「うん、ありがと。蘭君」

Aは、目的の為なら手段は選ばない。
火傷したのも、わざとって知っているのに、こんなに心配してしまう俺も、十分Aに溺れてる。

霧野「ならいいんだ。無理するなよ？」
A「うん！」

Aは、笑顔でそう言う。無邪気なようで、闇を持っている。俺だけが知るA。


話は変わるがそれは、夏のことだった。

A「暑いねー！」
霧野「あぁ、暑い」

Aのワンピースが風に揺れる。

A「ねぇ、蘭君。桑の花言葉を、蘭君に贈るね！」
霧野「え？桑の花言葉？」
A「そう！さ、デートの続きしよっ！」
霧野「ん、あ、あぁ」

デートを満喫し、Aを家に送った後、俺は家で調べものをしていた。

霧野「桑の花言葉...！？」

その言葉が、目に入った瞬間、俺は家を飛び出していた。

霧野「何処、何処に居る！？」

必死に探す。だが、見つからない。
花言葉が『共に死のう』なんてっ...！

俺が見つけた頃には、Aは、もう息絶えていた。

霧野「あぁ、あぁ...」

花言葉の由来通りになった。『ロミオとジュリエットの最期』
Aの側にあった、包丁を手に取る。

霧野「どうか、どうか会えるなら、また来世で」

俺の視界は、赤に染まり、暗くなった。

今、行くからな。A。

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