3話 ページ5
『ねえ、どこに向かってんのよ。お茶するんじゃないの?』
もうバレたからには、偽る必要などない。しかもそんなことはどうでもいいぐらい通りすがりの人達の視線が痛い。
「屯所でさァ。」
屯所?!え?!なんかした?!
「今日屯所にお前に金をぶんどられたって被害届けてでんぞィ。」
『いや、名前聞いてないのになんで分かったの。』
「容姿。」
ふーん。てか、あの男被害届けって。笑えねー。
『事情聴取するわけね。てかなんで首輪?首輪より手錠のほうがマシよ。』
首輪は、本当にやめてほしい。
「バレたらそんだけ態度変わるのかィ。」
『おい。質問に答えろ。』
「調教するのが趣味でねィ。 特にお前みたいなのが調教しがいがあるんでさァ。」
調教...ねぇ...。
『面白そうだけどあんたみたいな童顔な糞餓鬼にされたくない。』
それに、私の理想はぁー。と喋り始めると呆れた顔をした。すると
「着きやした。」
おぉ...。でっかい。ここで男どもが寝泊まりしてんのか。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「そこに座ってろィ。」
と指定された場所に座って周りをキョロキョロ。
面白そうなのはないし、薄暗い。机と椅子しかない。こういうのを殺風景と言うんだろうか。
当たり前か。チャラチャラしたところで事情聴取なんてできるわけないもんね!
そんなことを考えているとドアがあき、黒髪のタバコ臭いイケメンが入ってきた!!
タイプ!なに?!こんな人に事情聴取されるの?!嬉しすぎ。真選組ってイケメンの宝箱ですか??
「おめぇーか。貢がせて男の人生終わらせたのは。」
あいつ泣きついて来たんだぞ。そう言ってタバコに火を付け吸い始めた。
あー。かっこいい。さっきみたいにボロは出さないようにしないと...。
『貢がせたつもりはないんですよ。いらないよって言ってもなんか沢山くださって。悪気はなかったんですけど...。』
そう言って俯いてみる。
だか、しかし
「土方さん騙されちゃいけませんぜ。こいつ猫を被ってるんでさァ。」
?!?!お前いたの?!忘れてた。てっきり私を座らせたら出てったと思ってた!!
「こんな幼い顔しててもやることはやってんですぜ。」
あーあー。怖い怖い。と棒読みでいうこいつ。殺したろか。
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作者名:りほ太郎 | 作成日時:2017年3月31日 21時