利用しないで ページ27
ショックだった。
私が水筒を忘れたんじゃなくて、隠されていたことにもだけど、この子だけじゃなく、色んな人に嫌がらせされたことが。
「…」
そういう事、私に直接言わないでよ…！
それに、貴方は私の何なのか、ハッキリしてよ…！
言いたいことは山ほどあった。
でも何か言い返そうとする度に、言葉を被されてしまう。
「…何で黙ってるのよ。」
貴方がそうさせたんじゃない。
ムッと眉間に皺を寄せる彼女を睨んだ。
でもそんなの、彼女は屁でもないみたい。
さらに強く睨み返されて、こんな言葉が、彼女の口から出てきた。
「あ、水曜のバイトで思ったんだけどさ、彩はここ来ない方がいいんじゃない？
いっつも混雑してるし、美門君、迷惑されてるよ。」
…ムッ！
「ていうか、もうバイト辞めてねって、昨日言ったよね。
ちゃんと辞めた？
私、ここのお店の人から何にも聞いてないんだけど！」
ちょっと、やめてよ！
言いたい放題言って、しかもバイトの有無なんて私の勝手じゃない…！
黙ってたんだけど、こう言われてはカチンときた。
だって、言ってることが滅茶苦茶なんだもの！
翼が私にそう思う筈なんてない！
勝手なこと言わないでよっ！
「いい加減にしてっ！」
黙ってられなくて、立ち上がって彼女を見下ろす。
「バイトのこととか、翼のこととか、貴方には関係ない！」
翼は、独りだった私に声を掛けてくれた。
寂しくて辛くて、心が折れそうだった私を支えてくれた。
一回だけじゃなくて、何度も何度も。
「それに、翼に迷惑って何よ！
私達がどんな風に知り合って、私を助けてくれて、好きになったのかも知らない貴方に言われたくない！」
『責任、取る』って
『頑張ったね』って
『紅茶とミルクがあるからこその、ミルクティーだよね。』って。
そう言ってくれた翼の目は、いつも優しくて、暖かかった。
私の想いが届かなくたって、翼の目はホンモノだった。
ニセモノなんかじゃない。
「私の大切な人を、そんな風に利用しないで！」
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小町(プロフ) - 言の葉さん» 言の葉さま…！！読んでくださってとても嬉しいです！その上こんなに素敵なお言葉まで…！ありがとうございます！ (2022年12月25日 7時) (
レス) id: a89f3eeedf (このIDを非表示/違反報告)
言の葉(プロフ) - 大変面白かったです。文章や物語の細かい部分にセンスが鏤められていてとても素晴らしかったです。最後まで読めて嬉しい…。お疲れ様でした。 (2022年12月24日 23時) (レス) @page36 id: 6ceba3ea5d (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - inkさん» ありがとうございます！とても励みになります。こんなにノロノロ更新なのに、待ってて下さる方がいらっしゃって、とても嬉しいです！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: b63ba8e786 (このIDを非表示/違反報告)
ink(プロフ) - わ、ハラハラする...続きが気になる笑 更新待ってます！ (2020年10月5日 12時) (レス) id: 15bd63d20a (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - 休校さん» ミルクティーに目を付けて頂いて嬉しいです！その上他の作品も見てくださるだなんて…！ありがとうございます！！やる気出ました！近いうちにまた更新しますね笑 (2020年8月24日 6時) (レス) id: ec8a71b4e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小町 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hopwe021/
作成日時：2020年6月8日 13時
