検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:10,384 hit

これからも ページ16

Aside




スマホのアラームで目が覚める。


夜明け前なのでまだ薄暗い。


重だるい体を動かし、何とか立ち上がった。


昨日までの出来事で頭が混乱している。


しばらくぼーっとしてから下の階に降りる。


明かりはついていない。




冷凍庫を開け、レンジに入れて冷凍食品を解凍した。



適当にお弁当箱に詰め、白いご飯も余ったスペースに詰め込んだ。




いつものお弁当。


大きなため息をつく。



窓からうっすらと朝日が昇るのが見える。



それと同時に母が部屋から出てきた。



『おはようございます。お母さん』


「おはよう、コーヒーもらえる?」


こくんと頷き、冷蔵庫から昨日挽いたコーヒーを温めてから母の前へ出す。



『どうぞ』


「ありがとね」



母がコーヒーを飲んでいる間に、フライパンに油を引く。トーストとハムエッグを作る。


これもいつもの事だ。



父と母の二人分だけのたまごを焼く。


「あら、二人分なの?」


『私はもう食べましたから、大丈夫です』


「そうなのね。わかったわ」



嘘。全然食欲がない。


なぜか昨夜から胃のあたりがずっしり重い。


スマホで原因を調べて見ても、それとなりに詳しい情報はなかった。


作り終えたタイミングで父が部屋から出てきた。スーツ姿だ。



「悪いが朝食は要らない、行ってくる」


「行ってらっしゃい」


「……」



母は無言だ。怒っているのだろう。


お皿にハムエッグと、トーストをのせて母の前に出す。



「どうぞ」



ため息をついて受け取る母は、相当疲れているように見える。


なるべくそっとしておいた方がいいだろう。


無言でその場を離れ、弁当箱をもって自室に戻った。




『よし』



身支度を済ませ、時計を見る。


意外と早く終わっちゃったな。


家を出るにはまだ十分に時間はあるが、特に何もすることがないので、いつもよりだいぶ早くに家を出ることにした。



『行ってきます』


「行ってらっしゃい、気をつけるのよ」



笑顔で手を振り、家を出る。




しばらく歩いていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。


「あっ!Aじゃん!」


『えっ』


振り返るより先に、肩を掴まれてぎくっとする。



「やっほーい、Aさん?」



そこには有栖とかいうあの子もいた。


動けない。体が動かない。足が震える。


「え〜私たちまだ、なんにもしないよぉ」


今度は肩を後ろに引かれ、よろけて尻もちを着いた。


「あははだっさ〜い!」

悪役→←幼稚



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 5.3/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:まふまふ , 歌い手 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 私は待ってますよ!! (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きは出さないんですか?? (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最高です!! 続き待ってます! (2019年11月20日 23時) (レス) id: 5cebca09c0 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き楽しみにしてます!本当に大好きです!! (2019年8月17日 13時) (レス) id: 91adf27aab (このIDを非表示/違反報告)
Re(あーる)(プロフ) - あぁ〜!めっちゃ好きです!続き楽しみにしてます! (2019年8月9日 22時) (レス) id: e1df8226ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ほのぴん。 x他1人 | 作成日時:2019年3月30日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。