結婚編76 ページ38
『……』
口を固く結ぶ。
やってしまった。
風間さんの顔が見れない。
風間「……」
ふわっと、香りが舞った。
近くで、
私と同じ柚子の香り、
唇の違和感に、目を見開くと、
目の前には風間さんの、顔。
『…んー!』
風間「……」
口づけされてるのだと気付いた時には、
唇が離れた。
『…はぁ……はぁ』
息を正す、
流石に誘ったとはいえ、準備をしていなかった。
『……なんで?』
私は風間さんを見る。
風間「…なぜ?」
風間さんは目を細め、微笑んだ。
風間「…夫婦の間に…なんで?なんてあるわけないだろう?」
『…だって貴方は…』
私は、思っていたことをぶつけた。
『ま…前の私が好きなんじゃないの?』
風間「…誰が…言った?」
『…だって….』
ああ、
泣きそう。
風間「…お前は…Aだろう?」
『……そう、だけど…前の私はわがままで見ていて飽きなかったって…けど今は、口下手でなにもできなくて。だから……』
風間「……」
『…早く…記憶を、思い出せ…って…思ってるんじゃない…かって…』
とうとう、抑えてたのが頬を伝った。
それを見た風間さんは、
私をゆっくりと抱きしめた。
『…っ…』
風間「…変わらない……」
『…え….』
風間「….お前は、前のお前と全然変わらない、」
風間さんは私の涙を拭う。
風間「…口下手でなにもできないなんて前のお前そのままだ。だから、わがままになる。…見ていて飽きないんじゃなくて、…俺が勝手に見てたんだ。」
風間「…すぐ….泣くところも、気を利かして酌をしてくれるところも、悩みこむところも、全て前のAだ。早く記憶が戻ればなんて思ってない。」
私の顔を風間さんが、覗き込む。
風間「…なんなら、もうこのままでもいい。…記憶が戻らなくても、戻っても…Aは、Aだからな……」
軽く微笑んだ風間さん。
その笑顔は、
私の心を癒してくれた。
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まな(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます!今後、また薄桜鬼を書くか迷っています。薄桜鬼は自分が初めてハマったアニメなので大好きなんです。アニメKも考えてみます!笑 (2017年8月18日 14時) (レス) id: e0b0b00877 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく気に入った作品で面白かったですもし今後他の作品を作る予定なら薄桜鬼の世界にトリップか転生したアニメKの作品が読んでみたいですKを知らないならオススメです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張って下さいね応援してます。 (2017年8月15日 9時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - パオパオさん» ありがとうございます! (2017年3月27日 0時) (レス) id: c189a673e2 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - 連載楽しみっす (2017年3月24日 23時) (レス) id: feec7b73c1 (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - えーぽん☆さん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえると嬉しく思います。出来るだけ亀更新をなくすようにしますのでよろしくお願いいたします。読んで下さりありがとうございました。 (2017年2月20日 22時) (レス) id: c189a673e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まな | 作成日時:2017年2月6日 22時