夜桜【結婚編】〜風間千景〜弐 修正中

結婚編65 ページ26

『………』


(なんで…)


(どうして…)


千景の顔。


まともに見れない。


悲しいのに、それととても悔しくて…


『………。』


苦しいよ…


千景に抱かれないなんて、


それなら、


それなら、


死んだほうがまし…


『…やだ…っ…千景…抱いてほしいの…』


千景「…聞こえなかったのか？」


『……っ………』


千景じゃない…


こんなの、千景じゃない。


嫌だっていっても止めてくれなかったあの千景が、


もう、私を抱かないなんて…


夢だよ…


千景「…寝ろ…」


『……っ…』


体は千景を求めてるのに…





千景「明日も早い、一緒に寝てやるから…俺のもとへ来い」


伸ばされる手、


千景は、まっすぐに私を見る。


『…』


私は、手を引っ込めた。


千景「…A」


千景が、悲しげに呟く私の名前


『…理由がわからないから…』


私は、はっきりと声に出した。


千景は、黙る。


『…好いてる女鬼でも出来た？…ただ単に私に飽きたの？』


千景「…ちがっ…」


『……それとも………この子のせい…？』


私は、お腹を大事に撫でる。


千景は、驚いた顔をした。


千景「…おい…それをどこで聞いた…？」


『……。』


私は、目を伏せる。


千景「…A！！！」


千景の声が屋敷に響いた。


その声で起きてきた薺と菫、


大慌てで走ってきた。


菫「こんな夜中に…どうされたのですか？」


薺「奥方様…！」


薺は、Aの側による。


菫も、どうしたのかと、探りをいれるように私たちを見る。


千景「…なぜおまえが、子供の事を知っている…？」


薺「…こっ…子供！？」


薺は驚いたように声を出した。


『…千景には関係ない…』


私は、いたって冷静に答える。


千景「…立花に聞いたのか…？」


『……。』


千景「…答えろ…A。」


私は、さらさら答える気なんてない…


千景は、自分勝手だ、


何をしていてもそう、


どこかへいって、いつ帰ってくるかもわからない。


仕事だとわかっていたとしても、


今の私では信用が出来ないのだ。


千景「…A…」


千景の声のトーンが、下がる。


怒ってるのはわかってる、


そうやって仕向けてるのはわたしだ。


『…。』


菫「…奥方様……風間様…少し後で考えることにしましょう。…今宵は、もう遅くなっております。明日の夕食が終わり次第、この話をしましょう。」


私たちを、見て菫はそう声をだした。

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