夜桜【結婚編】〜風間千景〜弐 修正中

結婚編55 ページ16

『…でも、どうしてこれがここに…？』


千景の胸に抱きついた後、


私は、千景に聞いた。


千景「…まだわからないのか？」


『……え？』


私は、千景を見つめる。


千景「…はぁ……。」


千景はため息をついた。


『…わかんない…。』


私は、目線を下に下げる。


千景「……教えてやる…こっちにこい」


千景に手を引かれ、


座っている千景の上に乗った。


『…ち…近い…』


千景の顔との距離はとてつもなく近く、


自然に頬が熱をもつ。


千景「…教えてほしいんだろ？」


『…早く…教えてよ。』


千景「…まて…」


千景は面白がってる。


私をからかって遊んでる。


そう思っていると、


耳元に千景が口を寄せた。


千景「…そうだな…貴様と会えない分…ずいぶんと、溜まってたからな…口づけでもしてもらおうか。」


そう言って耳元から離れると、


口の端を上げて妖気に笑った。


ゾクゾクするほど


かっこいい。


『…口づけ…なんて…』


千景「…出来ないのか…？ならもっと『するから！』」


笑いを押さえている千景。


よし、覚えてろよ！


『目…つぶっててね。』


決心を決め、千景の頬に手を置き、


近づいた。


『……。』


うわ…


近くで見れば見るほど、


かっこよさが増している。


長いまつげも、


すっとのびた鼻も、


整った顔も、


恐いくらいすてきで、


この人が私を好きでいてくれる事に幸福が芽生えてくる。


『…ぁ…ん…』


整った唇に自分の唇を重ねると、


幸せがとめどなく溢れていく。


噛みつくように、


激しくなんて出来ないけど、


千景の事は大好きだから…


『…んっ…んむ…』


離れようとした瞬間に、


千景の手が私の後頭部を押さえた。


千景「…んっ…」


千景の舌が私の中に入り込んできて、


激しくかき回す。


激しすぎる口づけ。


『ぁ…は……ん…』


酸素が足りなくて、息を吸おうと頑張るけど、


その隙間さえないくらい千景に埋められる。


『…やっ……ぁ…』


思わず指先に力が入ってしまって、


千景の肩にめり込むように抱きついた。


『…んっ……はぁ……はぁ…』


やっと離されたかと思うと、


押し倒されて、また口づけをする。


酸素を求める時間がない。


理性を保てない。


千景の愛が止まらない。


私は、幸福の時間をたっぷりと舌で味わった。

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