46 誘惑の夜〈リヴァイside〉 ページ46
チェックインしたホテルの部屋。
ベッドの上に密着状態で座り、あゆなの色香に惑わされる情欲を抑え込めるのは、この世の中でおそらく俺しかいない。
昔から変わらねぇ。
心底俺を信頼しているユズアは、俺の前では警戒心の
だから、あゆなも同じように無警戒に俺に身を寄せ、見つめて触れれば、すぐに理性の壁を崩してしまう。
エレン…斗真にも、こんなに無防備だったのかと、余計な嫉妬心に火がつきそうだ。
そんなのは、付き合っていたのだから当然だろう。
頭では理解しているが、どうにも気持ちが収まらねぇ。
だが、今はダメだ。
ここであゆなを組み敷けば、朝まで止まらねぇだろう。
小さな音を立てて唇を離すと「もう終わり?」とでも言いたそうな、困惑した瞳に出逢った。
「そんな目で見るんじゃねぇ。止まらなくなる」
『え?ごっ…ごめんなさい!えっと…ご飯、ですよね』
「あぁ、美味い店がある。好き嫌いはねぇだろ?」
『はい!何でも…あ…パクチーだけは無理でした…』
そう答えて、やけに肩を落としたあゆなに、自然と頬が緩む。
食べられない、苦手な物がある事がそんなに悲しいのか?
「覚えておく」
たった一言。
何が嬉しかったのか知らねぇが、俺の言葉を受けて、あゆながパァッと花開くように可憐な笑顔を広げた。
あぁ…やっぱり、お前はユズアだ。
男も女も誰をも魅了するこの笑顔は、生まれ変わったこの世界でも未だに健在だ。
.
この地の行きつけの店で夕食を終えて、部屋に戻るとすぐに、あゆなの温もりを掻き抱く。
シャワーを浴びてからだとか、少し待ってだとか、無意味な抵抗をするあゆなを、口づけで追い詰めベッドへと転がし、覆い被さった。
そこでやっと観念したのか、あゆながおとなしくなり、先を促すように潤んだ瞳で見つめてくる。
堪らねぇな…。
誰にも渡さねぇ。
コイツに触れていいのは、俺だけだ。
あゆなのワンピースの胸元のボタンを外し、首筋から滑らすように手のひらを這わせ、
「そういや、空港でヘラヘラした男に肩を抱かれていたな」
『あれは…なかなか断り切れなくて…ッ…ごめんなさい』
「責めてる訳じゃねぇ。記憶を塗り替えてやる」
『え?あッ――』
覆っている衣服を押しやり、丸みのある肩を露わにした。
絹のように滑らかな白い肌が目を惹く。
「相変わらず、綺麗だな…」
『…ンッ…ぁ…』
肩に唇を這わせては何度も吸い付き、あゆなの愛らしい声を聴きながら、艶やかな肌を晒していった…――
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作者名:夢梨 | 作成日時:2018年11月4日 15時