16 更なる出逢い〈リヴァイside〉 ページ16
「うおっ!兄貴!マジか!?」
「あ?…レオン?」
買い物を終えてまっすぐ、あゆなの家へと向かった。
チャイムを鳴らし、出てきたのは…。
何故か、レオンだった。
あの頃よりも大人の印象だが、間違いない。
「てめぇ、何故この家にいる」
「何故って、俺の家だからに決まってんだろ」
「俺の家?ここは、あゆなの家だろうが」
「だから、あゆなは俺の妹なんだ」
「…は?妹…?」
軽い押し問答の末、レオンとあゆなは兄妹だと言う。
どうやら冗談ではないらしい。
「兄貴、やっぱり、あゆなに出逢えたんだな」
「あぁ。だが、アイツには記憶がねぇだろう」
「まぁ…そうだけど。壁の世界の事を、綺麗さっぱり忘れてる。…というか、思い出さない」
「そうか…。それには見当がついている。それより、アイツは?居ねぇのか?」
あゆなの事を問いかけると、レオンが途端にバツが悪そうな焦りの表情に変わった。
だが昔の名残か、多少睨みを利かせて無言で見つめていると、観念したように小さな声でボソボソ話し出した。
「あゆなは今日…彼氏と…温泉に…一泊旅行に行ったんだ」
「彼氏?…チッ…男がいたのか」
「兄貴、知らなかったのか?相手は――」
「――あぁ、再会したのは最近で、それも数回しか逢ってねぇ。帰ってくるのは明日か…何時頃だ?」
「は?それは聞いてねぇけど…彼氏と久しぶりのデートだし、夜じゃねぇの?」
「なら、確認しろ」
「……。…はぁ…わかったよ。とりあえず、上がってくれ」
何故か気乗りしねぇレオンに続き、あゆなの家のリビングに通され、ソファーに座るよう促された。
綺麗に整理整頓され、掃除も行き届いている部屋の中を見回す。
壁際の一角にギャラリーがあり、写真立てで埋め尽くされていた。
近くまで行き、写真ひとつひとつに視線を向けていく。
そこには、レオンとガキがもう一人、幼いあゆなを挟んで三人で笑っていた。
あゆなは…6〜7歳くらいか…。
やはり、可愛いな。
このくらいの歳の頃に出逢っても、俺は、あゆなを追いかけたんだろうか…。
それにしても、もう一人の兄らしきガキはあゆなとレオンとは随分、年が離れているようだ。
「兄貴…すげぇ言いづらいんだけど…さ…」
写真に集中する俺に、背後から声がかかり振り返ると、すっかり困り果てたレオンが、目線を
「なんだ。連絡はついたのか?なら、さっさと言え」
「明日は彼氏の家に泊まって、そのまま会社に出勤するって――」
「――ぁあ?なんだと…ッ」
*
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作者名:夢梨 | 作成日時:2018年11月4日 15時