トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ40)

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トリップ84日目ページ40

～Aside～

すると、何処からか「おーい！」と明るい大きな声が響き、組合の……金髪の美少女が此方側へ走ってきた

「ルーシーちゃーん？あ！」

私を見て、金髪の美少女は駆け寄ってきた

うわ、こないでくれ…美少女は目に毒なんだ！

そんな私の気持ちなど読めるはずもなく、美少女は話しかけてきた

「ねえ、ルーシーちゃん……赤毛の三つ編みの子、見なかった？」

私は商店街を指差し、「あっちへ走っていった」と答えた

「そっか～。じゃあルーシーちゃん失敗しちゃったのかな……虎の彼いるし」

また何かしてくるのではないか……と私は身構える。身構えた所で、何が出来るかは分かりやしないのだけど…

警戒する私に、美少女は慌てて否定した

「別に今ここで何かするわけじゃないよ！私はルーシーちゃんのお迎えに来ただけ！すぐ帰るから！」

にわかに信じられない所もあるけれど、とりあえず身構えるのはやめた。疲れたし←

「ありがとね！えっと……名前、何て言うの？」

ただ単に気になっただけ……だと思う彼女に、まあ名前くらい教えてもいいかと妥協した私は、「田中A」とだけ答えた

「へえAちゃん！教えてくれてありがとうね！」

美少女は商店街へ走りだそうとしたが、何か思い出したのか、「あ！」と言って立ち止まった

そして此方を振り返り、笑顔で

「私の名前はアリサ・ジーニアス！！またね！Aちゃん！」

手を大きく振って、美少女は今度こそ商店街へ走っていった

A「……何だったんだろう、あの子」

さて帰ろう……と思ったが、近くで敦君の戸惑う声が聞こえた。心配になったから、そちらの方へ駆け寄った

敦「鏡花ちゃん！？如何したの！？」

迎えに来たのだろうか、鏡花ちゃんが踞って震えていた

A「どうしたの？敦君」

敦「それが……僕を止めてくれた元お医者さんのおじさんと話してたんだけど……いきなり鏡花ちゃんがこんな風に…」

ああ成程……。何となく判った

私は(多分)優しく鏡花の肩を抱き寄せた。背中を擦って、鏡花ちゃんを冷静にさせる

元お医者さん……そして″僕を止めてくれた″と言うことは、多分森鴎外と話していたのだろう

彼の様子からして、あいつがマフィアの首領だってことは知らないみたい……

鏡花ちゃんは元マフィアだって聞いた。ってことは、あいつとも面識があるわけだ

私は敦君に向き直って話すことにした

A「敦君。あの男は…森鴎外は＿＿」