トリップしたからって美人補正がついてるとは限らない2 (ページ35)

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トリップ79日目ページ35

～Aside～

ルーシー「でも安心なさって。そのドアから誰でも出られるわ。お仲間を取り戻したくなければですけれど」

谷崎「如何する心算だ」

ルーシー「簡単よ。この部屋のアンと遊んで頂きたいの。アンいらっしゃい」

少女がその″アン″を呼び出すと、私が昨日見た不気味で巨大な赤毛の人形が出てきた

【ルーシー・モード・モンゴメリ

能力名＿＿深淵の赤毛のアン(Anne of Abyssal Red)】

人々は人形に恐れおののき、一目散に扉へ走り込んだ。私はその人の雪崩に巻き込まれそうになり、尻餅を付いた

A「うわぁあ！」

赤髪の少女……モンゴメリは逃げ出す群衆に、思い出した事を呼び掛ける

ルーシー「ただにそのドアから出たら部屋の中のことは全部忘れちゃうわよ？よろしくて？」

然しそんなこと、最早彼らには聞こえていない。部屋の中に残っていたのは、私、敦君谷崎さん、そして森鴎外だけだった

ルーシー「残ったのは四人だ…け……あっ、アナタ…！！」

私の事を見て、モンゴメリは顔をしかめ、一瞬脅えたような素振りを見せたが、すぐに何もなかったかのように振る舞った

ルーシー「……ルールは簡単よ！可愛いアンと追いかけっこをしてタッチされたら皆さんの負け。捕まる前にその鍵でドアを開ければ皆さんの勝ちよ。人質をみんなお返しするわ」

モンゴメリは口角をニッと上げ、「それで参加されるのは誰？」と尋ねた。そして「それから」と付け足した

ルーシー「そこの黒髪の女の方」

私を指差した。えっ、何……？

ルーシー「貴女の参加は認めないわ。人質にもしないから、悪いけど大人しく待っていて頂戴」

皆驚いている。無論私も。誰も私の参加が認められないなんて思っても見なかったからだ

A「えぇ…まぁ体力ないから戦力外通告されるのは仕方ないか……」

私は大人しく近くにあるぬいぐるみの隣に座った

谷崎「二人同時でも良いのか？」

谷崎さんの質問にモンゴメリは顔を輝かせた

ルーシー「勿論よろしくってよ。お遊戯はみんなの方が楽しいもの」

谷崎さんと敦君がお互い目を合わせる。いつも察しの悪い私も、今回の作戦は容易に見抜けた

谷崎さんの【細雪】を使うんだろう。姿を見えなくしてしまえば、此方の勝利は確実

ルーシー「準備はよろしくて？」

谷崎「ああ」

谷崎さんは鍵を掴んだ瞬間＿＿＿

谷崎さんの背後からアンが出現し、谷崎さんを捕らえた

ルーシー「ひとりめ捕まえた☆」