鈴屋班の本多さん。2【東京喰種:re】

アメとムチのプロ ページ3

『____ていうことがあってですね』


「はぁ、だからってなんでウチに来るの。

　私も暇じゃないんだよ」


『そんな冷たいこと言わないでくださいよ、
　宇井さん』



この間あった異動願いの話を宇井さんに愚痴りに来たはいいけどものすごく迷惑がられてるのを感じて悲しくなってきた。
別にお昼休みに来てるんだからいいじゃないか。


『いでっ』

「Aと違ってこっちはお昼休みも忙しいんだよ」

『心読んだー！』



宇井さんが手に持ってた書類の束によって私の頭はすっぱ抜かれた。脳細胞消滅してる気がする。


『こう、私への愛が感じられないというか』

「私のは愛のムチだよ」


『鈴屋先輩は私のことパシリにするし、
　半井はあたり強いし、
　後輩からは尊敬の意を感じられないし』

「嫌われてんじゃない」

『やめてスパッと言わないで』

「じゃあウチに来なよ。
　仕事しに」

『そんなさっきから投げやりな...』


手元の書類からは一切目をそらさずポンポンと出てくる返事。




『タバコ吸いに行く時間はあるくせに可愛い後輩の話は聞けないんですか』

「だって私に関係ないし。

　どうせ話に来るなら鈴屋班のことじゃなくてAのこと聞かせて」



う、宇井さん...。
突き放したと思ったらそうやって...！
結局私のこと好きかよ！私も好きだよ！


「ま、もうお昼終わるからまたね」

『ちょ、ええ、そんな』

「今度、ご飯連れてってあげるからその時ね」



そう言って強引に部屋の外へ追い出されました。アメとムチが抜群ですね！

なんだかんだ後輩を可愛がってくれるところ大好きです。



そしてその後浮かれて鈴屋班に戻った私は半井から頼まれていた資料を取ってくるのを忘れていたため長くつらい説教をかまされたのだった。

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