松野くん！不純すぎます！！

不純物 28個目 ページ29

A「はぁああ」

吉井「あ！A！！チョロ松くんが走ってるよ！！！」

A「え？あぁ、うん…」

ちょっと前の私ならものすごい勢いでくいついているであろうその話題ですら曖昧に返してしまう。



『________次は借り物競走です。』


吉井「あー、今度はおそ松くんが出てるー」

A「…！！！」

バッと顔を上げ、そちらを見ると松野くんはキョロキョロしていた。



こっち、向いてくれないかな…


なーんて、思いながら見つめていると

おそ「…！」

キョロキョロしていた松野くんがふとこちらに目を向け、手を振ってきた

A「えっ、」

当たりを見渡しても私と吉井しかいない


もしかして、私達に手を振ってる…？

おずおずと手を振り返すと、松野くんはニカッと笑って列へ並んでいった。



________何がしたいのかよく分かんないことするよね、松野くんって

ほんと、本当、そういう所…

吉井「あれっ、A顔真っ赤！！熱でもあるんじゃない！？」

A「へぇっ！？い、いや、大丈夫！！！大丈夫だから！！！！」


あー、ほんとズルいよね…


そうこうしていると次は松野くんの番になった。

吉井「うちの学校の借り物競走って特殊だよねぇ」

吉井が言うようにこの借り物競走はちょっと変わっている。
名前だけは借り物競走ではあるが、借りるのは物ではなく人だったりする。


『位置について、よーい』

パンっ！！！

その音と共に一斉にみんなが走り出す。

吉井「頑張れー！おそ松くーん！！」


松野くんは運動神経もいいらしく、いち早くお題の紙を取って…

A「…あれ？」


なんか、松野くん様子がおかしい…？
変なものとか引いちゃったのかな…


おそ「…っ」

どうしよう、松野くん困ってる…



よし！

A「松野くーーーーーん！！！！頑張ってー！！！！！！！」

周りの誰にも負けないくらい大きな声で叫ぶ

みんなびっくりしたような顔で私も見る中、1人だけ笑い声が聞こえた。

おそ「くっ、くく…あはははは！！！もう、ほんとAちゃんサイコーだわwwwww」


と、松野くんはひとしきり笑ったあと、

おそ「ごめん」

A「え？」

気付けば目の前には松野くんがいて。


A「ま、松野くんいくら何でも速すぎじゃない！？！？」

いつの間に！？と、言おうとした瞬間

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