気遣う君と ページ7
話題の転換。
それは「会話におけるある種のフォロー」であったり、「これ以上その話をすべきではない」という警告であったり。
人によってはそういった意味を持つこともあるだろう。
今回はおそらく前者。
互いに後腐れなく失言を忘れられるというメリットはあるが、場合によっては支離滅裂な思考回路をしているともとられかねない、応急処置的なフォロー。
Aは「気を遣わせてしまった」という罪悪感と共に、ほんのちょっぴりでも花京院が心を許してくれているであろう事実に震えた。
「じゃあ、素でいかせてもらいますね？」
「どうぞ」
目を閉じ、少し呼吸を整える。
普段あまり考えてものを言わない彼女にとって、彼とのコミュニケーションは難易度が高いのかもしれない。
それは花京院に堅苦しい雰囲気があるとか、Aがあまり男子と話したことがないからではなく、ひとえに彼を想う心からであった。
慎重に、傷つけないように。
会話の中に言葉を探す時間を作りたい。
言ってから後悔する辛さを二度と味合わないように。
「花京院君」
「昨日みたいに呼び捨てでも構いませんよ。どちらでも呼びやすい方で大丈夫です」
しかしそんな隙を与えてくれない、というと語弊があるかもしれないが、与えてくれないのが花京院である。
要は花京院と話している時、Aには常に余裕がない。
「昨日」
「昨日はまだ身体も動かなくて、目も見えなかったんですけど、誰かの呼ぶ声は聞こえたんです。今思うとAさんの声だったんですね･･････Aさん？」
昨日時点で既に意識があったということは。
今ここに「花京院」がいる原因は昨日か、それ以前にあることになる。
Aは彼を買って帰っただけ。
そうなると、怪しいのは購入した例の店だろうか。
あまり気にしていなかったが、やたらとイケメンな店員さんではあったように思う。
まさか魔法使いか何かだったのかもしれない。
ファンタジックな思考を振り払い、少し声を落として返事をする。
「ごめん、ちょっと考え事してた。それより私変なこと口走ったりしてなかった？」
「いえ、特には･･････声が聞こえたと言っても、気がする、程度の感覚でして」
昨日の内に尊さで身悶えたりしなくて良かった、とAは昔の自分に親指を立てた。
「そっか。ところで花京院」
「なんですか？」
「ここに手付かずの課題があるじゃろ･･････？」
突然変わった口調に花京院は思わず吹き出した。
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アーディ(プロフ) - Fukuminさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。まだ完結出来ていないので更新頑張りますね！ (11月20日 0時) (
レス) id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
Fukumin(プロフ) - 初コメ失礼します。いや本当に素敵です。好きです(( 主人公ちゃんと花京院との相性は最高に良きです。最高ですありがとうございます!! (11月20日 0時) (レス) @page6 id: 4c4c4d178d (このIDを非表示/違反報告)
アーディ(プロフ) - くろねこ1227さん» いつもコメントありがとうございます。お陰様で50話埋まりましたので、続きが書け次第続編へ移行させていただきます。小ささ故に守れないもどかしさで花京院は苦しみそうな予感……のんびりお待ちください〜 (2023年1月18日 0時) (レス) @page50 id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ1227(プロフ) - 夢主ちゃんの健気さと花京院のカッコよさにきゅんとしてしまいます。冬に夏のお話も乙なものですね。更新楽しみにしています。 (2023年1月18日 0時) (レス) @page49 id: 798df1e4bf (このIDを非表示/違反報告)
アーディ(プロフ) - 更新が遅すぎて冬場に夏の話をしています、作者です。小説内の暑さと現実の寒さをいい感じに合わせて暖を取っていただければと思います(？)もう少しで50話なのでがんばりたいですね。皆様風邪など召されませんよう。 (2023年1月14日 9時) (レス) id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奇妙な前髪 | 作成日時：2018年7月8日 20時
