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そこからは早かった。
 北根壊が男子校なことに違いはないが、彼女には例の如く優しい両親がいた。
 そして、この世は金で動くもの。関係者達は札束にころっと顔を変えて、Aの入学を許可したのである。

 勿論、頭の幼なじみに手を出せるわけもなく、全校生徒はAを文句なく迎え入れた。

しかしそれは柳の圧力があっただけではない。
 Aはのみこみがはやく、成長速度が半端ではなかったのである。

相手がどれだけ強くても平気な顔でおちょくり、喧嘩をふっかけるAを見て、やっぱり自分の目に狂いは無かった、と柳は頷いた。
 美人で喧嘩も強い…となると、3人目の頭と呼ばれるまでにそう時間はかからない。





________


暑い日のことである。

学校が燃えたと北根壊の全校生徒に連絡があった。
火事だった。
どうやら生徒の仕業らしい。
理由はというと、
担任にほんの少しイラついたからだとか。

「ははっ面白れぇ…マジでやったのかよ」

いつもの溜まり場で、古いソファに腰掛けた柳が笑う。

「まぁ、授業もまともにやらないし、学校なんて正直行っても意味ないからね」

隣に座っているAは興味がないのか、前髪を触りながら答えた。

「いや、そうだけど…俺らこれからどうすんだよ」

適当な発言をする二人に呆れ顔を向けるこの大男は、大嶽重弘。
長い手足に引きしまった体、肩幅も広く、刃物のような鋭い目をしたゴツい男。とても高校生とは思えないが、
この男も柳やAと同じく北根壊を仕切っている頭の一人だ。

「校長だか教頭だかが、隣町に教室空いてる学校見つけたもんで…直るまでそこにうつらされるらしいよ」

「はぁ?休校で十分だろ…面倒くせぇことすんなぁ…」

思いっきり眉を寄せる大嶽。

そんなに他校が嫌なのだろうか、と思いながらAは柳に寄りかかる。
今日は特に天気が良く、太陽が眩しすぎるくらいに顔を覗かせていた。

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ひんやりだんご(プロフ) - さ??♀?さん» ありがとうございます!これからも宜しくお願いします! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - 子猫さん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )検討させていただきますね! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - 最高です! (2021年5月23日 2時) (レス) id: 74c8bfbc36 (このIDを非表示/違反報告)
子猫 - 凄く面白くて一気に読んでしまいました!北根の小説全然ないから嬉しいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ理子ちゃんと夢主が戦うのも凄く見てみたいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ書いてください! (2021年2月1日 3時) (レス) id: 54bec7b90e (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - Luaさん» 楽しんでいただけて良かったです!これからも応援宜しくお願いします! (2020年9月20日 15時) (レス) id: 6187d0d719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2020年7月23日 17時

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