15*にぶんのいち ページ15
最後に余計なことを言ったのまではちゃんと覚えてる。
けど、そのあとどのようにして帰宅したのかは覚えていない。
すっごく悲しい気持ちもあるし、でもどこか安心した気持ちもあって矛盾してる。
あの後俺は何を言って、佐倉先輩は何を言ったのだろう。
ベッドに横たわりながら何もせずにただ昨日のことを思い出していた。
するとケータイの着信音がなった。
『調子はどう？この休みでしっかり休んでね』
と俺を労わる優しいメールが来ていた。
山田先輩かなと思い返信をしようとしたが、メールを送ってくれたのは佐倉先輩だった。
驚きのあまりケータイを思い切り落としてしまった。
恐る恐るケータイに触れ、もう一度メールの内容を確認した。
「さ、佐倉先輩・・・」
天使からの労わりメールで間違いなかった。
俺は急いでメールの返信を返そうとしたが、何を間違ってか電話をかけてしまった。
切らなきゃ！とテンパっていると、もしもしと先輩の声が聞こえた。
「せ、先輩。すみません、間違えて」
「ああなんだ。緊急の用事かと思ったじゃない。調子は？」
「大丈夫です。あの後迷惑かけてませんか・・・」
「ええ。泣きついてスーツが涙まみれになったわ」
「それはすみません・・・クリーニング代を・・・」
「いいわ。それは」
ああやっぱり何かやらかしてるんだ。
申し訳なさを感じながら、ごめんなさいと言おうとした。
「あのね。あなたのアプローチには日ごろ鬱陶しさを感じていたのだけど、貴方の気持ちを無下にはしたくないなって思った。同情とかそういうのじゃなくて」
「んん・・・？」
「だから私もあなたに対する気持ちを言わないといけないと思った。だから今言うわ」
え？どういうことだ？
どうしてそうなったんだ！？
「・・・貴方のことは恋愛的な意味では見れないわ。だから、ごめんなさい。それに私じゃ貴方の傷を癒すことはできない」
そして訳も分からないまま俺は心がズシリと重くなるのを感じた。
まだアピールが足りてないんだとかそういうのは分かっていたけども。だけども。
二分の一の確率だと思っていた。
好きと思われるか、嫌いと思われるか。この二択だ。
でも先輩はどちらの回答でもないのだろう。
心を癒すことが出来ないというのは、嫌いな相手に言う事じゃないから。
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年1月11日 0時) (
レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです！ これからも応援してます！！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ☆アイス | 作成日時：2019年10月28日 22時
