検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:13,490 hit

14*マイソング ページ14

今日もしっかり定時帰宅だ。


いやーこの会社でよかったわ、本当にホワイト企業だな。


るんるんで帰り支度をしていると、山田先輩から飲みに行こうというお誘いが来た。



「赤坂君と行ったことなかったし。佐倉ちゃんと塩沢君も誘ったよ。どお?」


「いいですね。どこにするかは決まってるんですか?」


「えっとね・・・」



*


「お疲れ様ー!!新人ちゃん二人とも頑張ってくれて頼もしいよ。ねぇ?佐倉ちゃん?」


「はぁ」



会社近くの居酒屋に俺たちは集まった。


普段の事もあってか塩沢は、佐倉先輩の前じゃ完全に委縮してしまってる。


前に塩沢は、佐倉先輩悪い人じゃないしむしろ優しいのは分かってるんだけど、と言っていた。


それでも怖いのか、佐倉先輩とは目を合わせないようにしていた様子が見受けられた。



「じゃあ飲んじゃおうー!」



山田先輩はとても上機嫌で、じゃんじゃんお酒を頼んでは飲み上げていた。


対照的に佐倉先輩はお酒が好きじゃないのか、ペースは大分遅い。


そして佐倉先輩の圧で完全に委縮しながらお酒を口にする塩沢は、ペース配分に気を付けていた。



「塩沢君〜佐倉ちゃんどお?怖くない?平気?」


「いえ・・・その・・・大丈夫です・・・」


「何かあったらお姉さんに相談してね。力になるからね・・・待って気持ち悪くなってきた」


「え、やめてよ」


「う・・・」



塩沢が大丈夫ですか?と背中をさすりながら、お手洗いまで山田先輩を見送った。


その間俺と佐倉先輩の二人きりになった。



「先輩。夏休み一日も空いてないんですかぁ」


「空いてないわ。実家に帰るし」



やっぱりみんなそういうものなのか。



「赤坂だって実家に帰ればいいでしょ」



そんな先輩の言葉は、きっと他意はない。


俺は少しだけ気分が下がるのを感じ、酔った勢いで口走ってしまった。



「絶対帰りません」


「何でよ」


「だって俺、嫌で一人暮らしをしてるんですよ」


「・・・何かあったの」



声のトーンは低いものの、しっかり俺を心配してるように聞こえた。


やっぱり好きだなと感じながら、俺はまた余計なことを口走る。



「どんだけ頑張って勉強しても、スポーツで結果を残したって、駄目だった。誰も助けてくれないし」



その言葉は俺なりのSOSなのか。


暫くして塩沢達が戻ってきたのに気づかず、俺は叫んでいた。



「めっちゃ好きです先輩!結婚してください!」


「今の流れでどうしてそうなった?」

15*にぶんのいち→←13*1日たてば立ち直れるメンタルです



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:恋愛 , オフィス   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。