14*マイソング ページ14
今日もしっかり定時帰宅だ。
いやーこの会社でよかったわ、本当にホワイト企業だな。
るんるんで帰り支度をしていると、山田先輩から飲みに行こうというお誘いが来た。
「赤坂君と行ったことなかったし。佐倉ちゃんと塩沢君も誘ったよ。どお?」
「いいですね。どこにするかは決まってるんですか?」
「えっとね・・・」
*
「お疲れ様ー!!新人ちゃん二人とも頑張ってくれて頼もしいよ。ねぇ?佐倉ちゃん?」
「はぁ」
会社近くの居酒屋に俺たちは集まった。
普段の事もあってか塩沢は、佐倉先輩の前じゃ完全に委縮してしまってる。
前に塩沢は、佐倉先輩悪い人じゃないしむしろ優しいのは分かってるんだけど、と言っていた。
それでも怖いのか、佐倉先輩とは目を合わせないようにしていた様子が見受けられた。
「じゃあ飲んじゃおうー!」
山田先輩はとても上機嫌で、じゃんじゃんお酒を頼んでは飲み上げていた。
対照的に佐倉先輩はお酒が好きじゃないのか、ペースは大分遅い。
そして佐倉先輩の圧で完全に委縮しながらお酒を口にする塩沢は、ペース配分に気を付けていた。
「塩沢君〜佐倉ちゃんどお?怖くない?平気?」
「いえ・・・その・・・大丈夫です・・・」
「何かあったらお姉さんに相談してね。力になるからね・・・待って気持ち悪くなってきた」
「え、やめてよ」
「う・・・」
塩沢が大丈夫ですか?と背中をさすりながら、お手洗いまで山田先輩を見送った。
その間俺と佐倉先輩の二人きりになった。
「先輩。夏休み一日も空いてないんですかぁ」
「空いてないわ。実家に帰るし」
やっぱりみんなそういうものなのか。
「赤坂だって実家に帰ればいいでしょ」
そんな先輩の言葉は、きっと他意はない。
俺は少しだけ気分が下がるのを感じ、酔った勢いで口走ってしまった。
「絶対帰りません」
「何でよ」
「だって俺、嫌で一人暮らしをしてるんですよ」
「・・・何かあったの」
声のトーンは低いものの、しっかり俺を心配してるように聞こえた。
やっぱり好きだなと感じながら、俺はまた余計なことを口走る。
「どんだけ頑張って勉強しても、スポーツで結果を残したって、駄目だった。誰も助けてくれないし」
その言葉は俺なりのSOSなのか。
暫くして塩沢達が戻ってきたのに気づかず、俺は叫んでいた。
「めっちゃ好きです先輩!結婚してください!」
「今の流れでどうしてそうなった?」
15*にぶんのいち→←13*1日たてば立ち直れるメンタルです
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時