13*1日たてば立ち直れるメンタルです ページ13
今日は電車が遅延したため、先輩のいる時間に間に合わない。
あまりに大きな人身事故で、しかも止まった駅からじゃ他の経路も探せない。
俺は会社に遅刻連絡をし、この人が多めのホームで復帰を待っていた。
あーあ。先輩と行きたかったな。
明日からは会社のお盆休みに入るのに、好感度下がりまくったまま迎えたくない。
時間が置くと気まずくなるっていうのを、身をもって知っている。
「まずは会社に連絡して・・・」
さてどうやって巻き返そう。
やっぱり豪邸をプレゼントするしかないのかな。
でもまだ俺の給料じゃ、戸建てすら買うこともできない。
もうちょっと稼げれば・・・。
今までの彼女はどうして来たっけ・・・いや元カノを参考にするのは一番良くない。
勉強も運動も努力でやってのけたけど、恋愛だけは相性の問題だな。
頭を悩ませていると、大分時間がたっていたようで電車がゆっくりながらもきた。
*
「電車遅延かぁ」
「そうです。中々動かなかったです」
遅れて会社に入り、周りにすみませんと謝りながら席に着く。
山田先輩はキーボードを打ちながら、大変だったねお疲れ様と言った。
本当に疲れた。
電車が来ると同時にたくさんの人が押し寄せてきて、降りるときも苦労した。
でも無事に乗り換えできたのは良かったな。
「あーだから佐倉ちゃんギリギリで入ってきたんだ」
「え」
「二人割と早めに来てるのに佐倉ちゃんが珍しくギリギリで入ってきてたのよ。赤坂君を待っていたのかも」
「いや・・・いつもたまたま会うからなので・・・気のせいでは・・・」
俺が待ち伏せしてるけど、という言葉は伏せておく。
俺を待っていた？いやそんなはずは・・・。
「そっか。気のせいかもね」
そんな意味深に頷く山田先輩の言葉が、仕事中ずっと絡みついては離れなかった。
「山田先輩って・・・」
「ん？」
「いえなんでもないです」
どこまで知っているんだろうか。
*
「せんぱーい！今日はさみしい思いをさせてすみません！電車遅延してました！」
休憩の時間に俺は真っ先に先輩のもとに駆け付けた。
相も変わらず先輩は昨日見たゴミムシを見るような顔で俺を見下していた。
ああその顔もたまらなく可愛い。
でも数秒後、先輩は顔を赤らめて俺を怒鳴りつけた。
「寂しいなんて思ってないわ！馬鹿！」
うん。ツンデレ最高。立ち直れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年1月11日 0時) (
レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです！ これからも応援してます！！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルリ☆アイス | 作成日時：2019年10月28日 22時
