胃薬が二十三錠 ページ31
ある日突然、事件は起きた。
『ぁぁぁぁあああああああもういやだもういやだうぁぁぁあああああ!!!!』
「よもや…」
「きゃあああしっかりしてAちゃん!正気を取り戻してぇ!!」
「…どう言う事だこれは」
煉獄、甘露寺、伊黒の目の前に居るのは、じたばたと赤子のように暴れるA。
事の発端は不明だが、恐らく度重なる胃痛としつこいヤンデレ変態集団が原因だろう。
毎日胃に穴があきそうな思いをしながら変態集団の相手をする…
筆舌にはし難い程の苦痛だったのだろう。
『うぁぁぁぁぁぁあああ''あ''なんで勝手に部屋に入ってくるのなんで鬼が鬼殺隊の屋敷に来れるのなんでお風呂覗くのなんでぇぇぇぇぇぇええ''え''』
「お、おち…落ち着けA…正気を取り戻すんだ」
あの煉獄でさえAの豹変っぷりに顔を引きつらせている程だ。
相当アレなのだろう。
「…胡蝶を呼んで来る。それまで見張ってろよ」
「う、うん…」
「了解した!」
伊黒がそそくさと部屋を出て行き、室内に取り残された三人。
その間も絶えずにAは発狂し続ける。
『ぅぅぅぅぅううなんで私がぁ…変態達の相手をしなくちゃいけないんだよぉぉ…ぁぁぁああもういやだ疲れたぁぁぁぁあああ''あ''!!!』
「相当…参ってるな」
「そうですね…」
すると、部屋の襖が開きしのぶを含む他の隊員達も入って来た。
「なぜお前らも付いて来る…」
「嫁の心配をしねぇ旦那が何処にいるってんだよ!」
『私嫁になった覚えないよぉぉおおぉぉおお!!うわぁぁぁぁあああ!!』
「おい宇髄悪化したぞどうするんだ」
「俺の所為かよ?!」
「お酒…の匂いはしませんね。…どうやら素で発狂しているようです」
「素で発狂ってなんだ…」
珍し過ぎる現象におろおろし始める柱達。
酒を飲んでいる訳でも無い為、謎は深まるばかりである。
だが、しのぶは薄々勘付いていた。
「(…絶対、ストレスでしょう…)」
正にその通りである。
だがしかし、それにすら気付かないのがヤンデレ変態集団。
自分が行って来た事を愛情表現だと捉え、正しいと信じ切ってしまっている為どうしようもないのである。
「あぁ…可哀想に…度重なる試練に耐えかね精神が崩壊したのだな…南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…」
「こうなったら一度眠らせて様子を見ますかね…」
しのぶが懐から注射器を取り出した瞬間、空気が一変した。
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ぷりっつ - 夢主ちゃんのスカートが膝より高い. ..ゲスメガネ呼んでこよう...チャキッ← (2021年5月9日 2時) (レス) id: 8a7ce8997d (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - 絵に一目惚れしました……!!面白い!すごい!!! (2019年11月25日 21時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ガコ - この小説、すごく面白いですね! あと、33の時、すごくカゲロウテイズっていう歌に似ていますね! (2019年11月25日 0時) (レス) id: 8244513a71 (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - コメントありがとうございます!素晴らしい作品だなんて勿体無いお言葉です…!続編もよろしくお願いいたします!! (2019年10月5日 8時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
緩莓 - 本当に最高です!!!こんなに素晴らしい作品に出会えて光栄です(´;ω;`)更新お疲れ様です!続編も読みます!これからも頑張ってくださいね! (2019年10月5日 7時) (レス) id: 6806c82317 (このIDを非表示/違反報告)
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