マダラの妹其ノ四十六 ページ46
その時、懐かしい香りが夜風に乗って届いてきた。マダラお兄ちゃんの匂いだ。色々話したい事が一杯あったけど、いざ言葉にしようとしても中々上手くいかない。
「会いに来れなくて悪かった…」
子供の頃から変わらない掌と温度。何時だって私はこの手に助けられてきた。
頭を撫でる時のマダラお兄ちゃんの優しい顔と、この掌が私は大好きだ。
「だが、もう大丈夫だ」
ズイッと顔を寄せておでこをコツンと合わせると、マダラお兄ちゃんの赤い目と目が合った。
赤い宝石が、妖しく輝く。
「時間が掛かってしまうが…お前を治せる方法を見つけた」
「治せる方法……？」
鮮やかな赤に、万華鏡が散りばめられる。
「その花は特別な物でな、正規の治療法では治す事が不可能だ。
だが、オレが見つけたやり方なら お前の病も治せて、
「…幸が戻る……夢も……？」
グルグルグルグル、思考が乱れて何も考えられなくなる。
ただマダラお兄ちゃんの言葉が、ゆっくりと心の中に浸透して広がっていく。
「勝者だけの世界、平和だけの世界、愛だけの世界……それらだけの世界を創る」
「お、にい…ちゃ……ん…」
眠らせたユリを優しく抱きとめるマダラ。その目は慈愛に満ちており、覚悟を決めた者の表情をしていた。
「兄さん」
「……イズナか」
驚いた様子はなく、ユリを抱いて立ち上がる。
「突然里を出たと思ったら…今まで何をしてたの……！まさか、兄さん あの石碑に書かれてた事はオレも知ってる、一人でやる気なの？！」
マダラは何も言わない。
「"花の瞳を宿す者は凡百厄災を招く破滅の力と、全てを幸福へと導く祝福の力を持つだろう"
確かにユリは花の瞳だったけど、二十歳を迎える前に
あの日に見た"八十禍津"の力も、ユリはもう発動させる事だってない！」
「幸の
だが、この方法はユリを救い夢を叶えてやる事が出来るんだ」
決意は変わらない。そう感じとったイズナは視線を地面に落とすと、再びマダラを見た。
「……だったら、オレも二人の夢を叶える」
「？！」
「一人よりも二人の方がもっと夢に近づける」
譲らない、決意に満ちた目を向ける。
暫く見詰めていたが根負けし、マダラは困った様に微笑んだ。
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urrryayasame(プロフ) - 文スト要素あるなら分かるように書いて欲しかったです。完全にNARUTOオンリーだと思ってたので (2020年9月22日 7時) (
レス) id: 82fa8a3d1b (このIDを非表示/違反報告)
シト - ああ!!夏の草原に,COSMOSですか？懐かしい!! (2019年10月27日 0時) (レス) id: 0bd1b59009 (このIDを非表示/違反報告)
マキラ - 続きが気になります！ 頑張ってください！ (2019年9月7日 22時) (レス) id: 02a5017c6d (このIDを非表示/違反報告)
死蝶 - ヤッター！続編楽しみにしてます！ (2019年9月5日 13時) (レス) id: a0dd7ebf9f (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - 春さん» コメントありがとうございます！ワクワクしてくれるなんて！嬉しいです！！！続き頑張って書きますね！！！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: 8b01a117c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レキ | 作成日時：2019年7月28日 6時
