マダラの妹其ノ十三 ページ13
斬られた。
熱された鉄の棒を押し当てられているみたいに、右脇腹が酷く痛い。というか、熱い。
「ユリ、ユリッ、ユリ!」
イズナお兄ちゃんに寄り掛かる形で受け止めてもらう。こんなに焦っているイズナお兄ちゃんは初めて見る。
「ユリ!」
マダラお兄ちゃんもやって来た。
体から力が急速に抜けていき、倦怠感が支配する。全身に力が入らない、手にしていたクナイが甲高い音を立てて落ちた。
「マダラ…お前はオレには勝てない…もう…終わりにしよう……忍最強のうちはと千手が組めば…国も我々と見合う他の忍一族を見つけられなくなる…いずれ争いも沈静化していく」
マダラお兄ちゃんの後を追って来た柱間は状況を察してそう提案した。
この戦いを終わらせようと、手を差し伸べた。
イズナお兄ちゃんは私を抱えてキッと柱間を睨み付ける。マダラお兄ちゃんは迷っているのか、手を取るべきなのかを考えている。
「(今手を組めば…これ以上、お互いに無駄な血を流す必要がなくなる…)
マ、ダラ…お兄ちゃ、ゴホッゴホッ!」
「ユリ!」
くそっ、話したいのに、息がままならないし血がせり上がってきて言葉にならない!
ヒューヒューと、口から乾いた呼吸音が流れて消えていく。肺を斬られたのか…?
「、ダメだ兄さん!奴らに騙されるな…」
イズナお兄ちゃんンン!今このタイミングで手を組むべきなんだよおおお!
そんな心の叫びなんぞ聞こえるはずもなく、イズナお兄ちゃんの言葉にハッとしたマダラお兄ちゃんは煙玉を地面叩きつけて私とイズナお兄ちゃんを連れて戦場から姿を消した。
「(……イズナお兄ちゃんが死なずに済んで…良かったな…)」
「ユリ!今すぐ手当てを…、ユリ?」
「っ、ユリ!目を開けろ!ユリ!!!」
暗闇に溶けて消えていく中、お兄ちゃんの悲痛な叫び声が最後に聞こえた。
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urrryayasame(プロフ) - 文スト要素あるなら分かるように書いて欲しかったです。完全にNARUTOオンリーだと思ってたので (2020年9月22日 7時) (レス) id: 82fa8a3d1b (このIDを非表示/違反報告)
シト - ああ!!夏の草原に,COSMOSですか?懐かしい!! (2019年10月27日 0時) (レス) id: 0bd1b59009 (このIDを非表示/違反報告)
マキラ - 続きが気になります! 頑張ってください! (2019年9月7日 22時) (レス) id: 02a5017c6d (このIDを非表示/違反報告)
死蝶 - ヤッター!続編楽しみにしてます! (2019年9月5日 13時) (レス) id: a0dd7ebf9f (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - 春さん» コメントありがとうございます!ワクワクしてくれるなんて!嬉しいです!!!続き頑張って書きますね!!! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 8b01a117c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レキ | 作成日時:2019年7月28日 6時