うちはマダラの妹に生まれ変わったんだけど誰か助けろて下さい−疾風伝編−【NARUTO】

マダラの妹其ノ二百十二 ページ12

　
　
悲しい子、なんて言葉がカブトから紡がれるとは思わなかったが、ナルトを通して誰を見たのかは彼のみぞ知る事だ。

「！ちょっとサクラちゃん！！」

突然走り出したサクラちゃんはカブトの横を通り過ぎ、ナルトを止めようと近付いた。その間カブトは手出しをしなかった。

しかし、今のナルトに普段なら届くだろうサクラちゃんの声は今のナルトには響かない。サクラちゃんに気付いたナルトは邪魔だと言わんばかりに尾を振り、容赦なくサクラちゃんに攻撃を加えようとする。

「、まったくもう…！」


万華鏡写輪眼、大気津！


ギリギリの所で何とか防御が間に合い、事なきを得る。

が、通じない事に怒ったのか、攻撃を更に加え始めて大気津に罅が入り始める。

「え、ちょっ…サクラちゃん下がって！！」


バキィンッ！！


今までどんな攻撃をも防いでみせた大気津の防御が破られた。

サクラちゃんは少しでも身を守ろうと腕でガードをしようと構える。でも、当然そんな事じゃ致命傷を避ける事は不可能だ。

ヤマト隊長は原作と違い近くにいない、カブトは我関せずの静観を続ける。敵どうしだから仕方あるまい。

ので、私は異能力──【羅生門】を発動して空間を断絶する。

その間にもう一度サクラちゃんを抱えてその場から跳躍すれば赤黒い尾と鋭い爪が地面にクレーターを作った。あと一歩遅ければ脳天に直撃していただろう。

その隙に大慌てで戻って来たヤマト隊長がナルトを木遁で拘束して封印術を発動した。カブトは｢君たちの連れだ 自分たちでどうにかしてくれ｣と言って瞬身の術で姿を消す。

「(ひとまずサクラちゃんの怪我は回避出来たけど…問題はサイの方かな)」



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