マダラの妹は花になった其ノ七十三(耐え忍ぶ者) ページ23
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「柱間様、直ぐに扉間様の宅に急いで来て下さい ユリ様がっ…！」
朝早く書類仕事に追われてい時、突然の報せにオレは考えるよりも早く体が動いていた。
窓から飛び出し、屋根伝いに駆けて行く。先程の報せを振り切る様に、ただ無心で走って行く。
「───さ──て───」
扉間の家の方から何やら声が聞こえる…この声は板間か？
漸く到着すると何やら中が騒がしい…。
「、扉間兄者ッ ユリさんを移動させなきゃ…！」
「ユリはッ…まだ、死んでなどおらん…！
まだ、ユリは……！」
庭の方から周り縁側の部屋の前に来ると、部屋の前に立ち尽くすイズナとオドオドとする板間。そして、扉間の取り乱した姿だった。
「まさか、…本当に…」
「………」
あんな風に取り乱す扉間は初めて見る。イズナは顔を俯かせていて表情は分からないが肩を震わせて手を握り締めている。
オレはイズナの横を通り過ぎ、板間を扉間から離してユリを見た。
「─────ッ、」
一番先に視界に入ったのは、妖しくも艶やかに咲き誇る赤い花だった。特に目を惹くのは心臓の位置から咲いている赤い花だ。
今まで扉間が摘んでいた花よりも、大きく立派な赤い花を咲かせている。
まるで、残りの生命を吸い尽くしたかの様に。
そして、その赤い花を映えさせる為だと言わんばかりに、ユリの肌は雪の様に白くなり、あんなに綺麗だった濡羽色の髪は色素が落ちて灰色になってしまっている。
だが、ユリの表情は…とても、穏やかだった。
死への恐怖など微塵も感じてなどいないかの様に、ただただ穏やかだった。
どうにか扉間を落ち着かせ、何とか葬儀を執り行いユリを棺に納めうちは一族の墓へと葬った。
その間、扉間はまるで抜け殻になってしまったかの様に、虚ろな表情なままじっと静かにユリを見送っていた。
それから程なくして、マダラが里を襲ってきた。
そしてオレは、里を守る為に……唯一無二の友を殺した。
オレは、ただ悲しかった。
ユリ、何故お前が死なねばならなかったのだろうか？
何故、友を殺さなくてはならなかったのだろうか？
扉間、何故お前ばかりにこんな痛みが降り掛かるのだろうか？
イズナ、お前は何故……姿を消してしまったんだ？
…………それでも、オレは里の者を…兄弟を…家族を…今を見守るために、耐え忍ぼう。
.
マダラの妹は花になった其ノ七十四(覚悟を決めた者)→←マダラの妹は花になった其ノ七十二(慈しむ者)
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レキ(プロフ) - 氷翠さん» コメントありがとうございます！無理せず頑張ります！！ (2019年10月6日 12時) (
レス) id: efd44ec1ac (このIDを非表示/違反報告)
氷翠 - 凄く面白いです！更新ファイト！だけど無理はしないでください！ (2019年10月6日 2時) (レス) id: 3797fcfa5c (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - マキラさん» コメントありがとうございます！その話面白そうなので書いてみたいと思います！書くのは大分後になりますが楽しみにお待ち下さい┏○ﾍﾟｺ (2019年9月18日 7時) (レス) id: 1e5cfa1ffb (このIDを非表示/違反報告)
マキラ - 番外偏で扉間と仲良くしてる夢主を見てマダラが嫉妬する話を書いていただけますか？ (2019年9月18日 0時) (レス) id: 02a5017c6d (このIDを非表示/違反報告)
レキ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます！扉間達の反応はもう少しあとで書きますので楽しみにして下さい！…うまく書けるかしら((；ﾟДﾟ)) (2019年9月9日 12時) (レス) id: 2116c856e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レキ | 作成日時：2019年9月8日 0時
