人見知りが鳴狐に成り代わったら鳴狐でしかなかった (ページ1)

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1話ページ1

こんにちはー。学校では体育の時と給食の時以外マスク外さない系女子のAでーす。

私は何故か鳴狐に成り代わってるんですよねー

お供「鳴狐～！！ウッウッ…………やはり先程崖から落ちたときに頭を打って…ウッウッ…………」

と、さっきから私の肩で号泣するキツネさんをとりあえず撫でて落ち着かせる
そのおかげで思考停止していた脳がやっと動いてくれた

私はA。中学生。女。人見知り。家族は・・・。

OK。自分のことはちゃんと覚えてる

だけど、成りかわる前がわからない
思い出せない

ガシガシと頭を掻くと、銀色の髪が視界の隅にうつり
あまりにも現実味がなくて夢なんじゃないかと、また現実逃避をしてしまう

てか、なんで森なんだよ。蚊がいっぱいいるじゃねぇか

お供「鳴狐。とりあえず森を抜けましょう！ああ、ですがもう夕暮れ。今日の所は木の上にでも寝て、夜をやり過ごしましょう！」

鳴狐「……うん」

木の上に登って眠れと？難しくねっ

お供の言うとおりに木の枝を寄せたり
紐で縛って固定しているうちにあっという間に夜になってしまった

お供「鳴狐。おやすみなさいませ」

鳴狐「おやすみ」

ふっかふかの毛並みを頬に感じて、意識を手放す前に一瞬だけ
あれ。私、面具してなくね？と思いながら夢に身を委ねた