人見知りが鳴狐に成り代わったら鳴狐でしかなかった (ページ2)

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2話ページ2

鳴狐を見付けたのは本当に偶然だった

俺っちは短刀で大太刀の様な力強い攻撃はできないが
それでも十分役に立ってるはずだ。

だが、その日はたまたま足場が悪かったのか
追い詰められていたのか、俺っちは崖から滑り落ちた

目を覚ましたのは夕暮れ時で、連絡もつかない状態
どうしようかと悩んでいると

上からガサガサという音と共に落ちてくる葉っぱに気付き
上を見上げると、見慣れた銀色の髪が・・・。

木を登りきったら、そこには面具をつけていない
幼い表情で寝息を立てる鳴狐がいた

薬研「こいつは驚いた…」

おっと、これは鶴丸の旦那の言葉だったな

俺っちも少しおいたまさせてもらおう
鳴狐とキツネを起こさない様にソッと側に寄って眠りに落ちた
___________

『薬研。薬研！聞こえるか？』

まだ大人になりきれていない様な声だが
これは20を越えたうちの大将の声だった

薬研「おきてる……おきてるから……」

『何寝ぼけてんの！？今どこにいるかわかる？』

薬研「あー……と。昨日の戦闘で崖があったと思うんだが、そこから滑り落ちた」

『ほうほう。オッケー。戦績記録見たらどこで戦ったかわかるから一軍で迎え行くな。そこ動くなよ』

薬研「ん。悪りぃな、大将」

『気にすんなよ』

ピッと機械はあっさり切られた
今の時代はすごいな。端末みたいなのから人やらなんやらが動き回るんだから

薬研「あ。鳴狐のこと報告するの忘れてた」

まぁ。なんとかなるだろ