story１８ 雷門VS帝国学園 ページ20
瑠奈side
『ふあぁ、眠い』
「なんで居るんだよ」
『なんか悪い？』
「悪くも良くもない」
どうも、ボクです。悠馬達と観戦するの暇だから権力フル活用して帝国ベンチに居るよ。あ、一般には見えないように能力発動してるから、心配ない。
『さてさて、お父さんはどういう戦法をとったのかな？』
「まあ見ていろ。直ぐに分かる」
『ふーん、楽しみにしてるね』
「貴方は誰でつ？」
『あんた誰？』
「此奴は湿川。サブGKだ」
『え、こんなのが？帝国オワタじゃん』
「何気に酷いこと言ってるぞ、A」
だって、まんま
嫌な予感がする。普通に的中したけど。
アップの時間、早速湿川が問題を起こした。佐久間にキャプテンマークを渡せと言ったらしい。・・・此処は泳がせた方がいいかな。
『佐久間、エノキタケにキャプテンマーク渡して』
「エノキタケ・・・ぷくく」
「笑う前にやることやってくれ・・・」
「・・・くっ」
ボクと風丸に言われ、渋々キャプテンマークを渡していた。そして、言ってはいけない事を言った。
「風丸、お前が影山の犬になるとはな」
佐久間は、そう吐き捨てた。
『んなっ』
「A、良いんだ」
片手でボクを制止しながらそう言う風丸は、悲しそうだった。それっきり、ボクも口をつぐんでしまった。
『ねぇお父さん』
「なんだ？」
『あのスパイク。なんか細工したでしょ』
みんなの動きが鈍い。それと反対に、雷門はここぞとばかりに攻め込んでくる。横の小さいおじさんのタブレットを覗き込むと、スパイクの操作が出来るようになっていた。
「あのスパイクは空気抵抗を起こさせたり減少させたりできる。これを利用して相手を倒す」
此処には、一つの噂がある。帝国と戦った学校は連敗を続ける。そうなる理由、それは、長所を潰されるから。自信をなくして負ける。
お父さんらしいよね。長所を利用して、逆に無力化するなんてさ。今回もそう。現雷門の長所は柔軟性。どんなプレーにも対応できること。
それを逆手にとれば、崩すのは容易い。前半と後半で試合のリズムを変えれば、雷門は着いてこれない。だって体力削れるもん。
『ふふ、試合はどうなるんだろうね。相手は裏を掻くのが得意な監督が率いてるんだ。利用されるかもね』
「それでいい。それが帝国学園の役目だからな」
それは、どういう事だろう？
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作者名：海道 凛 | 作成日時：2018年12月1日 13時
