25 言いかけた言葉。 ページ26
春くんに甘やかされて過ごす事、1週間が経ち、体調は少しずつ良くなっては来ていた。
けれど、未だに生理は来ない。食べられない事も増えたせいで体重も少し減り、仕事はプロジェクトリーダーになってしまうという多忙さを極めている。
そういった要因が積み重なってしまったせいか、どうやら生理不順を引き起こしているようだ。
もう少し経って、生理が来ないようであれば産婦人科に行って来た方がいいのだろう。
「Aさんも今日、飲み会参加できる?」
仕事がやっと片付いて時計の針は20時を刺している。まだ本調子じゃないのもあって飲み会に参加するのは少し気が引けた。
やんわりと断って、先に退勤させて貰い、私は会社から出た。
春くんには帰りは遅くなるからと連絡入れてあるものの、思っていた以上に帰りが遅くなってしまったから早く帰らないと。
駅へと向かう途中。酔っ払いがふらふらと街を歩いているせいでお酒の匂いが空気を伝い漂ってくる。
その匂いにやられてしまったのか、本調子ではない身体を纏うように残り香が鼻につく。
次第に気持ち悪くなってくると、足取りが重たくなって自然とノロノロ歩いてしまう。
本当に、ここ最近の私はおかしすぎる。
以前だったら、平気だったのに。こんな事、日常茶飯事なのだから平気なはずなのに。
お酒の匂い、タバコの匂い、香水の匂い。強くて嫌な匂いばかりを私の鼻が拾ってしまって、気持ち悪くなる。
「おい、大丈夫か?」
見上げると竜胆さんが居て、どうして此処に居るのだろうと浮かべた疑問。
私の身体を支えるように、人通りの少ない方へと歩き始め、導いてくれた。
「どうしてここに?」
「普通に仕事帰り。フラフラしてて危なっかしいと思ってたらAさん見つけただけ。」
「そうなんですね。助けてくれてありがとうございます。」
「つーか、顔色悪いけど大丈夫か?」
竜胆さんに、ここ最近体調が優れないことを話してみる。すると、彼の表情は曇っていく。
私は何故そんな顔をされなくちゃいけないのか、と思うけれど、生憎聞く元気も無くてどうでもいいか、なんて思ってしまった。
「それってもしかして……。」
彼が何かを言いかけた時。彼のスマホが煩く鳴った。私の顔を一瞥してから、電話に出ると、仕事の電話なのか真面目な話をしている。
電話を終えると、「俺、仕事戻るわ」と一言告げて嵐のように去っていった。
竜胆さんは、さっき、何を言いかけたのだろう。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした!(土下座)こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω`*)ずっと待ってたかいがありました!無理せずに更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました!ぜひ読んで下さい!完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります!ありがとうございます! (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜!! 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください!応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです! (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年2月20日 0時