私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ48)

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93話ページ48

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「大丈夫、起きたのついさっきだし、話した内容聞いちゃいねーって」

こちらが聞く前に一也くんが応えた。

「親が親だからね、子供も子供だろ？」

「何言ってんだよ、意味わかんねー」

『あの喧嘩は良くないかと？』

話を戻して、なんだかわけわからないことでケンカっぽいことが始まりそうな雰囲気。私は、お父さんにも好かれてしまったのかな？それは一也くんのお母さんにご迷惑なのでは。

「母さんも、さくらちゃんに似て可愛かったって事だよ」

「へいへい」

「全く冗談が通じないんだから、ねー、さくらちゃん」

『えっ、えと～』

「ほら困ってんだろ、さくら」

一也くんといい、お父さんといい、この親子は、ほんとに思考が読めない。一也くんのお母さん苦労したんだろうなー。

なんて和気藹々と？話していればインターホンが鳴る。お客さん？と思えば、お父さんがモニターを覗き玄関へ。誰だろう？と思えばすぐに戻ってきた。そして手元には、お寿司が。

「ほら！お寿司だよ！」

「お！やるじゃん親父！」

『いいんですか！？』

「もちろん、一也とさくらちゃんの再会記念だからね！さくらちゃんのことは娘のように思ってるし！」

「思ってるし、じゃなくて、これからなるかもだろ？」

『なっ！？』

「お、言うじゃないか一也！よ！お熱いね！」

「なにオヤジくさいこと言ってんだよ、腹減ったし、早く食おうぜ～」

『じゃっ、じゃあ私、お茶準備するね』

「早速花嫁修行だね」

「お茶準備するぐらい誰でもできるだろ、花嫁修行っても俺の料理より旨いモンできたら合格だけどな！」

『……』

私が恥ずかしい思いをしているのは、珍しいのかな。御幸親子は、全然平気で話を進めていく。他所から聞けばこれは軽くプロポーズになっていることに気づいてないのかな？

クリスマスから一也がやけに積極性だし。

ドキドキが収まらないよ。

「よかったね、一也」

「なにが」

「さくらちゃんとちょっとトラブってたみたいだけど、仲良くなれたみたいで」

「はあ？んだよ」

「見ればわかるよ、親だからね」

「…ったく」

「大事にするんだよ」

「言われなくても」

準備している間にそんな会話があった事を、私は知る由もなく。

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