私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ46)

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91話ページ46

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夜も遅いということで一也くんはうちに泊まることになった。
そして翌日、一也くんの実家へ一緒に行くことになった。

「じゃ、行ってらっしゃい」

『行ってきます』

「じゃあお借りします」

あれから高島先生との話を聞く様子がなかった。お母さんも、学校側の意見とか聞かれることはなかった。お父さんからの意見は、まだ返ってきてない。

お母さんによると、お父さんは、困った顔をしていたようだ。そりゃそうだよね。急に自分の子供が親元を離れてまで学校にいたいだなんて。親不孝者だ。

「今は、楽しいことだけ考えろ」

『え？』

「俺だって聞きたいこといっぱいある、けどよ、今は忘れろ」

『でも』

「いんだよ、ほら早くしねーと置いてくぞ」

『うん』

一也くんは、やっぱり気にしてた。でも、今は違うと言った。暗い顔をして、一也くんのお父さんに会うのは嫌だし。私も気持ちを切り替えた。

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「おかえり、一也」

「ただいま」

『え、と…お久しぶりです』

「さくらちゃんだよね？美人になったね」

『えっ！？そんな！！』

実家に着いてお邪魔すれば、中には一也くんのお父さんが。顔を見るなり、私のことを覚えててくれていた。嬉しい限りだ。さあ、ゆっくりして行ってと、一也くんの部屋へ案内された。

「あー、疲れたー」

『お疲れさま…ちょっ、一也くん！？』

「…わりぃ、ちょっと甘えさせろ」

余程疲れていたのか、珍しく甘えるように抱きついてきた。

『ベッドで横になった方が…』

「ここがいいんだよ」

『なら、いいけど』

「なんでさ、幸せになったと思ったら、すぐ邪魔が入るんだよ…」

『？』

「やっと、さくらが側にいてくれるのにさ、なんなんだよ、引っ越しって…神様は意地悪だ。とことん邪魔してくる。俺になんの恨みがあるんだよ

そりゃ、さくらには酷いことをした。あれからずっと後悔してた。奇跡的に青道にさくらが入学してきて、チャンスだと思ったよ。ありがとうって思った。

けどさ、今度は引き裂かれるなんてさ、俺だって十分反省しただろ…」

甘えてきたと思えば、今度はらしくもない弱音を吐いた。
新チームが稼働して、やっと慣れてきた。キャプテンとしてしっかり責任感を持つようにもなった。
でもその中には、不満や、弱音も出てくる。そんな感情をみんなの前では出さずに我慢してきた。

「さくらと離れたくない、平気なわけあるかよ」

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