私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ40)

今日:10 hit、昨日:27 hit、合計:45,262 hit

85話ページ40

.

「…おーい、さくら。聞こえてるか」

『はっ！！ごめん、じゃあ電車そろそろだからじゃあね！！！』

「あっ、おい！」

恥ずかしさのあまり、さくらは、御幸が呼び止めるのも気づかず。ホーム内へ行ってしまった。余程、驚いたに違いない。

「また、連絡するか…」

こうして、御幸は、青心寮へ戻った。

そして今に至る。

.

「で、そっから楠から連絡は？」

「いや全然」

「いつもなら、さくらちゃん帰宅したよーって報告くれるよね」

「なんで小湊が知ってんだよ」

「それ聞きます？」

「おいおい、喧嘩すんなよー」

さくらは、心配かけたくないため、幼い頃からの癖で、帰った時にはすぐに、その日最後に別れた人に連絡するようにしている。

過去に、物騒な事件が起こり、さくらは、巻き込まれなかったものの、周りが結構騒いでいたらしく、それから連絡を律儀にするようになったとか。

「まあ、結構真面目だからさ、きちんと帰ってればいいけど」

「てっきりまたキャップが、さくらの家に行くかと思ってましたよ」

「アホか、今、合宿中ってこと忘れんな」

「そうっすけどー」

御幸のプレゼントがやっと聞けたところで、落ち着きを取り戻したと思えば、何かやましいことを期待する栄純。

「お、きた」

男同士グダグダしていれば、さくらからメッセージが。

さくら今帰ったよ。今日は楽しかった。プレゼントありがとう。おやすみ。

「うーん、なんだか素っ気ないな」

「見んなよ、人の携帯を」

「いいじゃないですか！まさかやましい物でも！？」

「こらこら栄純くん、本当の事だとしても、からかうのはやめようよ」

「ちょ、小湊？」

「ヒャハハ、言われてやんのー」

春市の発言にビックリしている御幸。
やはり亮介の弟だけあって、純粋なところに黒さがある。

「倉持、小湊が亮さんに似てきたの気のせい？」

「あー、それは俺も思ってる」

「何か言いました？先輩方」

「「イエ、ナンデモナイデス」」

＊＊＊

補足～！物騒な事件とは近所に不審者が出たという感じです。
作者が幼い頃、結構不審者とか多発してた時期がありまして…いや、今でも物騒なんですけどね？集団下校とかしたもんだ。ヒロインが連絡網で連絡し忘れて、周りが騒いじゃったっていうオチです。

本当は②で終わらせるつもりが③に行きそうな雰囲気…
.