私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ39)

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84話ページ39

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そして時間は、さくらを送った後の青心寮へ戻る。

「で、キャップは、何渡したんすか！！」

「早く言えって、焦らしすぎだ御幸」

「おいおい前置き大事だろ？すぐ答え言ってもつまんなくね？」

御幸がさくらにプレゼントしたものを言うことになっていたが、駅まで送って行くまでのエピソード、さくらからプレゼントを渡された事しか話していない。

「でも御幸のヤツが、そんなキザなことするなんてなー」

「だから携帯に見慣れないキーホルダー付いてたんですね」

「お、気づいちゃった感じ？鋭いな降谷」

「そんなことより！早く教えてくださいよ！」

栄純は、さくらにプレゼントしたものが気になるようで、話が少し脱線しただけで、すぐ戻そうとしている。そんなに気になるか？と聞けば、御幸が女の子に送るという行為自体が珍しいため、興味があるらしい。

「わかった、わかったから！」

栄純は、エサを貰う前の犬みたいな感じでそわそわ。
それを見兼ねて、御幸は、また、話し始める。

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『じゃあ、私も開けていい？』

「おう」

『では早速』

プレゼントの大きさは、ポケットに忍ばせておいたので、手のひらサイズ。

なんだろう、とワクワクしながら、さくらは、包装紙を丁寧に外していく。
箱の中をあけると、そこには、指輪が。
といっても、指輪の大きさは、指にはめるにはかなり小さいサイズで…。

「なんだよ、気に入らないのかよ」

『違う違う、一也くんがアクセサリーなんて意外すぎて…』

「おいおい、俺の印象って…」

『でも指輪つけるには、まだ早すぎやしませんか？それにサイズも小さいけど、』

「俺の小遣いのこと考えて…でも、ちゃんとそれ意外に理由あるから」

指輪が小さい理由。
そりゃ高校生が彼女に立派な指輪を送るなんて無理な話。
買えたとしても、肩身離さずは難しい。
御幸なりに色々考えた。
指輪をキーホルダーにつけるなり、お守りにしたり。小さいからこその用途を考えたのだ。

「まさかキーホルダーくれるなんて思ってなかったから、ダブった感じだな」

『全然いいよ、ありがとう一也くん、大事にするね』

「あと…」

『？』

「何年かしたら、ちゃんとしたやつ買ってやるから、しばらくはこれで我慢しろよ」

これは、軽くプロポーズと言っていいものかどうか。突然のことで、さくらは思考停止。

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