私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ4)

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51話ページ4

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「楠さんだよね？」

名前を呼ばれて、誰だろ？と相手を見たけど顔は見たことあるけど、名前が思い出せない。

「えと、私、吉川春乃。沢村くんと同じクラスなんだ。」

そうだ、栄純くんとこの。
どっかで見たことあるわけだ。

栄純くんが、落し物したりして、教室に届ける時に、よく、見かけたっけ。

「ごめんね、急に話しかけちゃって、びっくりしたよね！？」

『大丈夫！私も思い出せなくてごめんなさい』

「私は、沢村くん経由で知ってただけだから知らなくて当然だよ」

『へ、栄純くんが！？』

「……名前呼びなんだ…」

『ん？なんか言った？よく聞こえなかったんだけど』

「うっううん！何でもない！やっと話せて嬉しいな、ずっと話してみたかったの」

『そうなの？』

私と話してみたかったと、言う吉川さん。
栄純くん、私の事なんて言ってるんだろ。
変な印象を与えてないといいけど…。

それに少し聞こえてしまった。

－－－－名前呼びなんだ…

どうやら、彼女は栄純くんが、気になっているのかな。

しばらく駄弁っていたら、コホン、と、わざとらしく咳をするのが聞こえた。

「おふたりさん、楽しんでるとこ悪いんだけど、そろそろ戸締りしなきゃだから」

「楠さん、だっけ？も元気になったみたいだし」

『おかげさまで、ありがとうございます』

「理由は、どうであれ、倉持！」

「あ？」

「彼女を送って行きなさいよ！」

「なんで俺が」

「いいから、つべこべ言わずに！」

と、先輩マネージャーさんが強制的に倉持先輩が私を送っていくことになってしまった。

泣いてしまったのは、私の勝手な行動だったのに、申し訳ない。

大丈夫と言っても、なかなか受け入れてもらえなかったので、お言葉に甘えることに。

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「わりぃな」

『いえ、私が原因ですし』

「でもさ、」

『？』

「ちょっと応えにくいこと聞いてもいいか？」

『なんでしょう？』

「楠はさ、

御幸のことどう思ってんだ？」

あ、やはりその件ですか。

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