私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ30)

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75話ページ30

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『お母さん、年末年始って何か予定あったっけ』

「うーん、これといって今のところは特にないけど、何あるの？」

『…ちょっと友達と出かけようかなと予定立ててて」

あえて相手が一也くんとは言わない。
言ったら色々とめんどくさい。
この前泊まった時も見つからずに終わるつとりが結局朝、鉢合わせになったし。
今は落ち着いたけど、しばらくは、ニヤニヤしてしつこかったなー。

「一也くんでしょ？」

『はぁっ！？』

「あら、当たりね」

『なっ、もう！からかわないで！』

流石、母親だけある。お見通しだ。

「楽しんで来なさいよ」

『う、うん』

その時のお母さんの顔は、なんだか寂しそうなそんな表情に見えた。なんでだろう、いつもならこの前みたいに、ニヤニヤして惚気話聞かせろだの、言ってくるくせに。今回は違う。

嫌な予感がする。

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話は変わって、ちなみに、一也くんが抜けた期間の野球部は、倉持先輩がキャプテン代理を努めて、聞く話だと、やはり、元ヤンだけあって…

まあ雰囲気は、言わずともわかるだろう。

栄純くんから送られてきた写真を見たら一目瞭然、ヤンキーの集団にしか見えなかった。

一也くんは大人しく、他の選手達のサポートへ移った。本当は練習したくて、うずうずしてるんだろうけど、これからのための我慢だよね。

『どう？倉持先輩のチームは』

「キャプテンが変わるだけで、あんなにチームの雰囲気変わるとはなー」

『前園先輩も強面だからね。余計にかも？』

「確かに」

私は、春市くんや降谷くん達に差し入れを渡しにやってきた。
一也くんは大人しくしている、偉い偉い。

「おーい！！さくらー！！！」

『栄純くん！？』

「おいおい沢村、そんな大声で呼ばなくてもいいだろ」

駄弁っていると、私が居ることに気づいた栄純くんが私の名前を叫んだ。一也くんの言う通り、そんなに大声で呼ばなくても…恥ずかしい。

「なにイチャイチャしてるの？みんな頑張って練習してるのに」

「亮さん！」

『亮介さん！』

「御幸はサボり？」

「いや俺けが人ですし」

次は亮介さんがやってきた。
引退した3年生も、新チームのために練習に参加している。亮介さんもその1人。

「そういえば、付き合ってるんだっけ」

『は、はい』

「うちの春市が悔しがってたよ？？？」

「とか言いながら、自分が狙ってましたよね？」

「え？そんなふうに見える？」

「見えます」

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