私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ23)

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70話ページ23

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夜、一也くんは私の家に泊まりにきた。

大会後のリフレッシュ、新チーム始動に向けての息抜きも含めて。
そんなこと言ってられないけれど、1日だけならと監督含め、周りのチームメイト達も許してくれた。

春市くんから、「今日、御幸先輩と一晩過ごすんだってね」とからかいのメッセージが届く。思い出すと、恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。

一晩だけ、一緒に過ごしたいの
そう伝えてた。
そのわがままに一也くんは、文句一つ言わず、一瞬の悩みも、考えも無く、二つ返事でOKと返事をした。

『あ～！！！どうしよ！！！』

一也くんは寮へ荷物を取りに行っている。
家に来る前に色々と準備をしなきゃいけないのだけど、やっぱり一番は、心の準備が1番出来ていない。

自分から誘っておいて、なにやってんだ。

可愛いパジャマなんて持ってないし、女子力ないし。みられても大丈夫な可愛い下着なんて持っちゃいない。

奇跡的に、親は、知人と旅行へ行っている。
だから2人きり。
ドキドキする。2人きりで過ごす夜。
初めて恋人同士で過ごす。
幼かったあの頃は、なにも考えてなかったのに。好きを意識すると、どうしよもなくなる。

モヤモヤ悩んだりしても、時間は刻々と進み、ピンポーンとインターホンが鳴る。
鳴らした相手言わずともわかる。
とりあえず、外で待ちぼうけさせるわけにもいかないと、玄関まであげるけど。

「え、中入れねーの？」

『うっうん、ちょっと部屋散らかってて』

普段は、整理整頓している部屋だが、可愛い服とかなかったっけ？と探しているうちに部屋は服まみれで、散らかっていた。

「珍しいじゃん」

『いっ今、模様替えしてる最中でなかなか決まってなくて』

「ふーん」

『なっなに』

散らかっているのは事実だけど、するどい一也くんは、じーっと私の顔を見てくる。

「本当は、そわそわしてんだろ？」

『はっ！？』

「小さいころから見てきてんだよ、隠してもバレバレだから」

『嘘！？』

「俺に隠し事とか、生意気なんだよ」

相変わらず天才キャッチャー様はするどい。
まあ、私がわかりやすい表情をしているのもあるんだろうけど。春市くんからもよく言われる。

「俺の前では、ありのままでいろ、どんどん甘えてこい」

あー、なんでこういう言われて嬉しい言葉をサラッと言ってしまうんだろうか。ファンの女の子達が聞いたら、歓喜で倒れる子も出そうだ。

とかいう私もその1人だったりするわけで。

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