私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ3)

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50話ページ3

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「楠！」

『あ、倉持先輩』

春市くんとも話し終わったことだし、さて、帰ろうかと思ったら、倉持先輩に呼び止められた。

「練習見に来てたんだな」

『はい、春市くんに誘われて』

「そうか」

『先輩のプレイすごくカッコよかったです！』

「…っ！！！」

あれ、倉持先輩を褒めたのに、そっぽ向かれてしまった。そういうのは苦手でしたか？なんて言ったら、嬉しいけど、そいうのは、簡単に言ったら、相手が調子乗るから、なんて言われてしまった。

それって鳴のこと？

「ちなみに、成宮のことじゃねーからな」

『えっ！？先輩、私の心読めるんですか！？』

「ちげーよ！顔に出てただけ」

『そんなに分かりやすいですか、私』

「まあ、アイツらから、色々聞いてれば、短い期間でお前がどんなやつかわかっちまうんだよな」

『アイツらとは？』

「御幸と…弟くん、春市のこと。それに降谷とか沢村も、お前のことよく話してんだよ」

『まさか、私の変なこと話してたりとか』

「してねーから！」

そういえば、亮介先輩にあった時も、春市くんが、よく、私の事を話すって言ってたっけ。まあ、沢村くんは、あんな感じだし、その日あった事をありのまま話しそう。

それに…

『かず…御幸先輩も話してたんですか』

「あ、気にしなくていい、色々あったのは少し聞いたし」

『そうだったんですか』

「ま、お前もよく頑張ったよ」

『！！』

自分なりに、御幸ときちんと向き合ったんだろ？すごい事じゃねーか。なんて、言って、私の頭を撫でた。

あ、やばい、泣きそう…。

『…っ…』

「えっ！？なっ、なんで、泣いて！？」

『ちが、うんですっ…これは、』

「わっわりぃ、無理に話すな」

倉持先輩の言葉が、まさかそんなことを言われるなんて思ってもいなくて。
頑張ったねって誰かに言って欲しかったんだ。まさか先輩の前で泣く事になるなんて、恥ずかしいな。早く泣き止め自分。止まれ涙。先輩が困ってるのに。

そう思って頑張っても、どんどん溢れる涙。

このまま外ではマズイと思い、先輩は、マネージャー室へ連れて行ってくれた。

野球部のマネージャーさん達は、女の子泣かせて何したの！？なんて誤解をされてしまったけども、なんとか私が説明して納得してくれた。

野球部のマネージャーさん達は、みんな美人で可愛くて、そんな人達に支えられてる一也くん達がすごく羨ましいと思うし、なんで私なんか好きなんだろって思ったり。

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