私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ17)

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64話ページ17

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「沢村、俺先輩だから、何度言ったら、わかんだよ」

「学年違うのにいつの間に！！」

「おーい話聞いてるか？」

栄純くんは、一也くんの声は全く無視。
気づいてないのか、それともわざとなのか。

『一也くんとは昔ご近所で仲良くしてもらってて』

「そうなのか！幼馴染みたいなやつだな！」

『そうだね』

なんとか恋人だとかそういう話題にならないように話題を逸らして、私と一也くんの関係から別の話題へ。

「そういや若菜とはどうなってんだよ？」

『若菜？』

「そう、アイツの地元の女の子！」

『なんと！栄純くんに彼女が！』

「違う！若菜は幼馴染だ！そんなんじゃねー！」

「否定すればするほど怪しいな」

「ヒャハハ！またメッセージ送ってみるか！」

「なっ！倉持先輩！また勝手にやってんすか！？」

どうやら栄純くんには幼馴染の女の子がいるみたいだけど。

うーん、春乃ちゃんが聞いたらどうなってしまうのだろう。もし私だったら勝ち目ないかも。

とかいう、一也くんも女子にはモテるわけで周りには私より可愛い子もいっぱいで。

いつ誘惑されないか、ビクビクしていたり。一也くん自身は、私しか眼中にないと、きっぱり伝えてくれたけど。というか、よくそんな恥ずかしいこと言えるよなー。

「さくらちゃんは大丈夫？」

『え？』

「先輩モテるから、心配なんじゃない？」

『確かにね』

春市くんが私にそっと耳打ちで言ってきた。

弱味を掴んでチャンスとかそういうのではなくて、ただ心配して言ってくれた。相変わらず春市くんは優しい。

「……」

「御幸？」

「さくら」

『なに？』

「ちょっと手伝ってほしいことあるから来い」

「さくらはマネージャーじゃないぞ！」

『大丈夫だよ、私も力にはなりたいし』

「悪いな、じゃ、抜けるわ」

「おう！ほらお前らも行くぞ！」

「「はい！！！」」」

こうして私は一也くんの手伝いに、他の倉持先輩達は、寮へ戻っていく。

「春市…」

「はい」

「気にかけるなとは言わねーけど程々にしとけよ」

「え？」

「思ったよりアイツ必死っぽいから」

「必死って…「何が必死なんすか！？」…」

「あー！お前には関係ねーんだよ、勝手に割り込んでくんな！」

「いたたたたたた！！ギブギブー！！！関節技やるのやめてください～！！！」

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