私と彼と②【ダイヤのA】 (ページ14)

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61話ページ14

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春市side

「春市」

「兄貴…」

「最近さ、おかしいよねお前…まあ、御幸はいつもどおりになってきたけどさ」

「…ごめん」

お風呂を済ませて、部屋へ戻ろうとしたとき、兄貴に声をかけられた。
やっぱり話の内容は最近の僕の様子だった。

「やっぱりさ、あの子関連だよね？…えーっと」

「楠さくらちゃん、クラスメイト」

「そうそう、俺と春市見間違えた面白い子」

「あれは兄貴が悪ノリで…！！」

「でも、あの子は好かれるような雰囲気持ってるよね、俺も春市と同じ立場だったら好きになってたかもね」

「な、何言って」

え、好きなんじゃないの？と兄貴は言う。

でもさくらちゃんは、御幸先輩と付き合うことになったと巷で聞いた。時間の問題だったんたろうなと思ったけど、いざ、現実となるとなかなか苦しいや。

「ふーん、で、春市は気持ち伝えないまま逃げちゃうんだ？御幸にタイマンできない臆病者な春市くんになっちゃったんだ？」

「…っ！！」

煽ってくる。
言われた通りだ。

気持ちを伝えないまま、さくらちゃんから、御幸先輩から逃げている。逃げたってどうしよもないのに。
降谷くんにも、御幸先輩には負けないといったのにこのザマだ。何やってんだろ。

「もうわけがわからなくなっちゃった」

「？」

「…どうすればいい、兄貴」

「とりあえずさ、その泣きそうな顔、やめなよ」

このタイミングでその言葉が出るのは兄貴ぐらいだ。
逆に言えばそこが悪いところであり、良いところであったり。

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「落ち着いた？」

「うん、ありがとう、明日きちんと話すよ」

「そっか、頑張れ～」

「なにそれ、軽っ！？」

「だって御幸と付き合ってるんでしょ？勝ち目なんてないじゃん？」

「励ましてくれるじゃないの？」

流石兄貴…。ブレない。

「当たって砕けてこい、春市」

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