【銀魂】保健室のセンセーは私の旦那さん！2

植物状態 ページ45

高杉side


信号が変わった瞬間走り出したA。
相変わらずガキみてぇだと思いながらふと視線を横にずらすと信号が赤に変わったにも関わらず曲がってきたトラックが居た。
当の本人は猫に気を取られて周りが見えていないようだ。

高｢あ、オイ！A！待て！！｣

急いでAの腕を掴もうとしたが掴めなかった。
数歩先にいるAは俺の声に気付き振り返ったが直ぐに消えた。
目の前にはトラックしか映らない。

高｢……ッ｣

一瞬頭が真っ白になりかけたが急いで我に返った。
Aの元に駆け寄って意識と呼吸を確認した。
けれど脈が無い。心臓が止まってる。
震える手をギュッと握って急いで心臓マッサージをした。
降りてきたトラックの運転手に救急車を呼ぶよう指示する。

高｢…頼む、死ぬな…｣

救急車が来るまでの間心臓マッサージと人工呼吸をし続けた。
戻ってきてくれ、生きてくれ、それだけを願いながら。

救急車が来てからはイマイチ記憶にない。
救急隊員に言われるがまま救急車に乗って病院へ向かった。
それから処置されている間、俺の心臓は痛いほど脈打っていた。

もしこのままAが居なくなってしまったら…そんな事ばかりを考えてしまう。

高｢…死んだら承知しねぇぞバカ｣

溢れそうになる涙をぐっと噛み殺した。




……

どれぐらいだったかは覚えていないが医者が出てきた。
脈は戻った。
やれることはやった、と。
なんでも咄嗟に心臓マッサージ出来たから意識が戻ったんだとか。

『ただ、いつ目覚めるかはわからない。』

その言葉が重くのしかかった。

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