Another Strawberry−2− 【stpr】【マフィア】

… ページ14

現在―――――

大和撫子のボス、そしてその構成員達は、全員当時の俺と同じ瞳をしていた

信じていた人に裏切られた絶望
騙され弄ばれた怒り
捨てられた悲しみ･････

後に全てが信じられなくなり、ただ深い闇を見るような真っ黒な瞳――――――


『…俺も･････あんたと同じ、苦痛を受けたから･････。俺はあんたとは違うけど、あんたの気持ちは痛い程理解できる…』

撫「うるさい…、うるさいうるさい！！！」

「お前なんかに汲み取れるはずなど無い！！！」と猿叫しながら、ボスは刃を振るった


きんっ！


撫「っ…！！」

ボスの妖刀が、満月の月夜に煌めいて地面へ落ちる
俺が薙いだ刃が、妖刀を弾き返したのだ

ボスはその場に立ちすくんだ

『勝負ありや。さぁ、俺らと一緒に行こう。まだやり直せる』

撫「･････」

ボスは何も言わずにうつむいた


すると



な「ジェル君！！無事！？」

『なーくん！』

闘いの音を聞きつけて、なーくんが駆けつけて来てくれた

な「良かったぁ…。怪我は無い…？」

『あぁ。大丈夫や』

なーくんがホッと安堵した


と、その時



撫「フフ…。アハハハ･････！！」

ボスが顔を上げて笑っていた


撫「…あなたのような人に、もっと早く会っていたかった(・・・・・)わ」


俺は、なーくんと共にそこに硬直した
ボスの今の言葉の意味が一瞬にして理解できたからだ

その通り、ボスは切り立った崖に向かって走り出した

『っやめろ！！！』

硬直していた身体を無理矢理動かして、俺も慌てて走り出した
が、ボスは既に崖に辿り着いており、こちらを見て儚く微笑み、両手を広げて後ろへ倒れ込んだ



『させるかああああぁぁぁっっっ！！！！』



全速力で走って追いつき、俺はボスを抱き抱える

しかし、時既に遅し

俺はボスと共に真っ逆さまに海へ落ちていく――――――


な「ジェル君！！！」

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