第21話 ページ26
「今日のようなことは頻繁にあるのか」
「まあしょっちゅうだよ」
乱歩は餡を呑み込みながら答えた。
「職場とか、道端とか......最初から
気持ち悪いから首を突っ込んでたけど
大抵は邪魔者扱いか気味悪がられるか、
途中から面倒になっちゃって。
あー、やだやだ。大人の世界って、
なんて気味が悪いんだろう」
嫌そうに顔をしかめて首を横に振る乱歩
「大人の世界が嫌いか?」
「大っ嫌いだよ。訳が判んないもの」
乱歩は、子供だ。
頭の良すぎて、何でも判ってしまう
世間知らずなただの少年。
そんな彼によっては周りの自分よりも
歳上であるはずの、大人が事件を
解決できないことが
不思議で仕方ないのだ。
だが、乱歩は自身の推理力が
優れていることを理解出来ていない。
だから、大人が理解できないのだ。
私は、黙って乱歩を見つめた。
「何?」
「否、何でもない」
乱歩は、不思議そうに私を見た。
「ところで、先刻面接だと云っていたが......
少年、学校は?」
福沢は尋ねた。
「だからあ、見たら判るでしょ?」
乱歩は面倒そうに云った。
「半年前に、住み込みで通える寮付きの
警察学校から追い出されたの」
「追い出された?」
「規則が面倒なんだもの。規定時刻を
過ぎた後量より出るべからず。
買い食いは控えるべし。服装が
規則が云々。おまけに授業は死ぬほど
退屈だし。人間関係は面倒だし。
寮長と云い争いになって、
過去の女性遍歴をぜんぶ暴露したら
追い出された。」
それは追い出されるだろう
福沢と織田の心が一致した瞬間であった
「それからいろんなところを
転々としたねぇ。軍の屯所で住み込み働き
した時は所長の横領を言いふらして
追放されたし、建設現場の使い走りを
した時は上下関係が面倒で
逃げ出しちゃったし、郵便配達の
仕事の時は手紙の中身を見る前に
不要なやつを見つけて棄ててたら
手紙を届けて誰が嬉しいのってさ。ねえ?」
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読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時