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第16話 ページ21

「ここが社長さんが落とされた窓だよね」



いつの間にか少年は窓際に立っていた。



幅広の窓の子細に眺めている。



秘書は慌てて書類を並べ直していた。



少年が無茶をした所為で、



部屋にある書類の一割ほどが無残に



散乱している。直すのは骨が折れそうだ。



「少年」福沢は思わず訊ねた。



「この山の中から、どうやって一枚きりの
書面を見つける?」



「なんだおじさん、喋れるんだ」



少年が無遠慮に眉を上げた。



「ずっとここで黙ってるから、石のように
無口な人なのかと......。あのねえ、
僕の探している書類は印紙付きの
政府証明書類で、材質が違うから
他の書類より厚みがあるんだ」



おじさん......。



俺はまだ三十二だ、と反論しようとした



福沢は、然し台詞の最後が気になって



眉をひそめた。厚みがある?



だから外見から判断をつけやすいと云うのか



だがその程度の特徴では



足りないのではないか?



多少厚みが変わったところで、



この敷き詰められた書類から外見の多少の



異なる一枚を見つけるとなると、



必要な労力根気にさほど



違いはないように思うが――。



そこで福沢は気が付いた。



少年が窓に手を掛けている。



社長が突き落とされたという



幅広の横開き窓に。



窓の外は青空。



確か今日は、風が強かったはずでは――。



「そーれ、お祭りだ!」



楽しそうな声で少年は窓を全開にした



書類が



一斉に



生命を得たように飛び立った

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 織田作之助 , 成り代わり   
作品ジャンル:アニメ
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読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時

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