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その晩、Aはグルッペンに呼び出された。夜中にグルッペンの部屋を訪れるなど、胡乱な者だと間違えられそうだが、グルッペン専属の護衛は顔パスでAを通してくれる。それくらいには、信用されているらしい。
ノックをすると、低い声が返ってくる。
「失礼します」
「どーぞ」
扉を開けると、目にいっぱいの本棚が映る。グルッペンは、高級そうな机の上にココアを置いて、椅子に座りながらクルクルとマシュマロをかき混ぜている。
「座ってええよ」
「ありがとうございます」
グルッペンの正面の椅子に座り、報告書を提出する。スパイであるあの男についての報告書だ。
「お疲れ様。……襲われたらしいが、怪我は無いか？」
「ええ、お兄ちゃんとショッピさんがすぐに来てくれたので」
“お兄ちゃん”呼び方が変わったことに、グルッペンは安堵した。ようやく、兄妹の思いが通じたのだと。保護者目線というか、遠目で微笑ましく2人を見守っていた身としては相当嬉しいらしい。
「それで、男だが……」
「D国に誘われたらしいですね。どこまでが本当か分かりませんけど。まだ慎重に捜査を進めなければなりませんね」
「ああ」
最近コネシマからプレゼントされたパジャマ、モコモコで暖かいのでAのお気に入りだ。高いやつらしいが、知ったことでは無い。腕のところに小さくKと刺繍されていることから、やはりコネシマは独占欲強めだな、などとグルッペンは思う。
「それで、今日呼んだのはそれだけじゃないですよね」
出された熱いココアをフーフーと冷ましながら、Aは片眉を上げて訊く。
「ああ。度々すまないのだが……」
「先に言っておきます。舞踏会はもう嫌ですよ」
「ちゃうちゃう。我々国の闇って知っているか」
グルッペンの目は静かに怒っている。我々国の闇。言い方はありがちなアレだが、実際にそうなのだ。警察や、軍でも管理できない裏社会の人間が集まる街がある。
フェファルというその街は、所謂人身 売買だとか、麻 薬だとか、娼婦が道端で身を売っているような、そんなのが蔓延る街だ。何度警察、軍が退去を命じても、そこに居座り金を積んで黙らせる。
「……とうとう手を出しますか」
「ああ。囮という言い方はあまり好きではないが、女性は狙われやすい。だからあえてAが行ってくれないか？もちろん、1人でとは言わない」
「いいでしょう。私も昔、あそこで嫌なものを見ましたから」
泣き叫ぶ、幼い少女の姿を。
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通行人G - 感想ではなくすみません！他アプリなのですがプリ小説に同じのをあげていますか?同じのを見つけてしまいまして... (1月24日 2時) (
レス) @page1 id: c45e3cd912 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - クサイ演技やなぁで、俺も乗っかったる…つまりknさんもあれは演技…？めっちゃ気になる！！！！ (2022年1月13日 13時) (レス) @page50 id: b03ee76d2f (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - うぅぅ…sm〜〜(泣)早く真相が知りたい…何かの演技なんでしょう…！？そうと言ってぇ！！(泣)(なんか、お話に影響受けてか、ドラマみたいになった…) (2022年1月13日 0時) (レス) @page50 id: 90d5684779 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - knさん…いや、私はknさんを信じます。でも。。。泣けるよぉ( ；∀；) (2022年1月12日 23時) (レス) @page50 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
ライ@Mallow - 嗚呼…泣いちゃうよぉ…。でもknsmさんの事だからどうにかして一番良い方法取るんだろうな…信じてますよぉ……(号泣)(やっぱり貴方様最高) (2022年1月12日 21時) (レス) @page50 id: 74ae029d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月5日 18時
