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「分かっとるって」
ギュッと鞭を握ったゾムは、思い切り振り上げて、Aの背中に打ち下ろした。パァンと、銃の発砲音のような音が鳴った。Aが纏っている服の役割を果たしているのかも分からない布切れは、綺麗に破けて、Aの白い肌に赤い一本線が入った。
「っ、」
呻き声も上げずにAは耐えた。スイッチが入ったゾムは、舌なめずりをして、2回3回……と連続で鞭を振るう。皮膚が抉られ、Aの目から涙が落ちる。
「うわぁ……痛そう」
両目を覆って鬱先生は顔を背ける。おい軍医、それでいいのかとシャオロンがツッコミを入れる。50回目で交代だ。手加減しているとはいえ、軍人に鞭を振るわれる痛みは尋常ではないはず。交代の際に、ゾムは1度Aの顔を見た。
「!!」
「どうしたん？ゾム」
「気絶してへん」
「気ぃ失ったら、兄に笑われるからっ、」
痛みになれている軍人でも、ゾムの鞭打ちを受ければ、30回ほどで気絶する。しかしAは、気絶していなかったのだ。芯のある目が、真っ直ぐと何も無い石レンガの壁を見つめる。
「はい、交代。シッマの妹〜？俺さ、ゾムみたいに優しないで」
「大丈夫ですよ」
「手加減無しで行ったんやけどな」
「嘘つけ」
冷えきったシャオロンの声が耳に残る。先程の鬱先生の忠告も忘れ、シャオロンは本気で鞭を打った。
「うっ、」
流石のAも声を漏らす。泣き叫ばない精神力は一流の軍人よりも上かもしれない。
「シャオロン!!」
「シャオちゃん!?」
「いい、です。罰は受け入れます」
ポタリと地面に落ちたのは、真っ赤な血。誰のものかなど小学生でも分かる。鞭にはAの血がベットリとついている。
「シャオロン、相手女やぞ」
「わかっとるって。でも、シッマ殺そうとしたんやろ？その罪の重さは知ってもらわんとな」
「っ、シャオロンさん」
「あ？」
はぁはぁと肩で息をして、Aは首だけ動かして振り返る。その際に、手枷がジャラっと音を立てた。射抜くようなシャオロンの冷たい視線をものともせずに、Aは口を開く。
「兄は……笑ってますか」
「なんやねんその質問。シッマなら、この軍で1番笑っとるで。ホンマにうるさいんやけど、お前どうにかできへんの？」
口を動かしても手は止めない、仕事人だ。痛みに堪えながら、Aはクスリと笑う。
「無理ですよ。兄は私の事大嫌いですもん」
「そうなん？」
そして、100回目。見るに堪えない背中が晒される。
「お疲れ様です」
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通行人G - 感想ではなくすみません！他アプリなのですがプリ小説に同じのをあげていますか?同じのを見つけてしまいまして... (1月24日 2時) (
レス) @page1 id: c45e3cd912 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - クサイ演技やなぁで、俺も乗っかったる…つまりknさんもあれは演技…？めっちゃ気になる！！！！ (2022年1月13日 13時) (レス) @page50 id: b03ee76d2f (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - うぅぅ…sm〜〜(泣)早く真相が知りたい…何かの演技なんでしょう…！？そうと言ってぇ！！(泣)(なんか、お話に影響受けてか、ドラマみたいになった…) (2022年1月13日 0時) (レス) @page50 id: 90d5684779 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - knさん…いや、私はknさんを信じます。でも。。。泣けるよぉ( ；∀；) (2022年1月12日 23時) (レス) @page50 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
ライ@Mallow - 嗚呼…泣いちゃうよぉ…。でもknsmさんの事だからどうにかして一番良い方法取るんだろうな…信じてますよぉ……(号泣)(やっぱり貴方様最高) (2022年1月12日 21時) (レス) @page50 id: 74ae029d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月5日 18時
