30 ページ30
「A最近ショッピ君と仲ええなぁ」
「貴方には関係ないでしょう」
「そんな冷たいこと言わんといてや。兄ちゃん泣くで」
「どうぞご勝手に。血の繋がっているだけの他人なので」
「お前引きずりすぎやろ」
Aとコネシマの会話に、トントンはブチ切れ寸前だった。
「お前ら人の部屋で喧嘩すんなや！シッマはもう出てけ邪魔や」
「もう少しAとじゃれててええやんか」
「邪魔です。出てけ」
まるで犬のようにくぅん、と鳴いてコネシマは追い出された。元はと言えば、書類未提出だったコネシマがトントンの部屋にやってきたのが始まりだ。
「まぁでも、ショッピ君とは仲ええなぁ」
「そうですか？」
「うん。何か特別な思いでもあるん？」
「まぁ、彼と一緒にいる時は、心に逆立っている毛が落ち着きますね」
「なんやねんそれ」
今日は仕事とが少なくて2人とも結構楽できた。トントンの部屋でお茶をしていると、安らぎのひとときを壊すように天井からゾムが降ってくる。
「ブフッ」
驚いて口から紅茶を吐き出すトントン。いつも通りしらけた目でゾムを見るAは、プルプル震えるトントンの頭にハンカチをかけてやる。
「A〜!!!!仕事終わったんなら、俺と一緒に基地の温泉行こうや」
「なんですか、それ」
少し興味を持ったらしく、Aは目を少し開く。それが嬉しくて、ゾムはAをおぶって走り出す。半ば誘拐のようなものだ。
「おい!!!……はぁ、グルさんに八つ当たりしてこよ」
「は、はやい」
ゾムの走る速さは異常だった。ギュッと目を瞑って、ゾムにしがみつきながらAは訊く。
「温泉なんてあるんですか？」
「ああ。北棟の奥の方に木造の大きな屋敷があんねん。その向こうに温泉があってな、めっちゃ気持ちええんよ」
拒否する間もなく、Aは屋敷へ連れてこられた。屋敷から出て迎えてくれたのは、腰が90度くらいに曲がった高齢の女性。
「これはこれは。ゾム隊長…お久しぶりです。どうぞ、癒しの湯で存分に休んでください。そちらの女性も、是非どうぞ」
「どうも」
「ババア！最近ここに兄さん来たんやろ？」
「ええ。お湯に入ったあと、また居なくなりましたよ」
「あー、会いたかったー!!!」
知らない人物の名前が出てきた。Aは、癒しの湯の効能を疑り深い目で見る。
(肩こり、リウマチ、腰痛、頭痛、腹痛、癌、脳卒中……ジョークか？)
「胡散臭っ」
「A!!ババアに失礼やろ」
「あなたも大概ですよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1002人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
通行人G - 感想ではなくすみません！他アプリなのですがプリ小説に同じのをあげていますか?同じのを見つけてしまいまして... (1月24日 2時) (
レス) @page1 id: c45e3cd912 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - クサイ演技やなぁで、俺も乗っかったる…つまりknさんもあれは演技…？めっちゃ気になる！！！！ (2022年1月13日 13時) (レス) @page50 id: b03ee76d2f (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - うぅぅ…sm〜〜(泣)早く真相が知りたい…何かの演技なんでしょう…！？そうと言ってぇ！！(泣)(なんか、お話に影響受けてか、ドラマみたいになった…) (2022年1月13日 0時) (レス) @page50 id: 90d5684779 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - knさん…いや、私はknさんを信じます。でも。。。泣けるよぉ( ；∀；) (2022年1月12日 23時) (レス) @page50 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
ライ@Mallow - 嗚呼…泣いちゃうよぉ…。でもknsmさんの事だからどうにかして一番良い方法取るんだろうな…信じてますよぉ……(号泣)(やっぱり貴方様最高) (2022年1月12日 21時) (レス) @page50 id: 74ae029d2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月5日 18時
