28 ページ28
人間というのは面白い生き物で。不思議な生き物だとAはよく思う。現在休日。Aが部屋で休んでいると、事務局の新人女性に呼び出された。そして中庭へ。
「ゾムさん達から度々お話は伺っておりましたが……確かに、お仕事には不適切な格好ですね」
露出が激しい上に、香水臭い。新人事務員は3人。殺意を込めてAを睨んでいる。その手の視線には慣れているので、Aは困ったなぁ、と頬を掻くだけだ。
「……ウザイのよアンタ」
いかにも悪女のセリフ。期待通りと言うべきか期待外れと言うべきか。この後オスマンさんとケーキ食べようと思ってたんだけどなぁと青空を見上げる。
「よそ見しないで!!!ここでは私の方が先輩なのよ!!!!」
「でも階級は私の方が上ですよ」
「後から来た癖に！どうせコネシマ様の身内だからその階級にいられるんでしょう!?」
キンキンと甲高い声で叫ばれてうるさい。あと10分したら部屋に戻ろう、そう決めてAはようやく女の話に耳を傾けることにした。
「コネシマ様の妹だから、簡単に幹部の近くに居れて、媚び売って、好かれているんでしょ？気持ち悪いわ」
「……？」
「何よその顔!!!」
「なんでコネシマさんの妹だと幹部の近くに居られるんですか？彼らに媚びを売って何になるんですか？」
Aの言葉はいちいち彼女達の逆鱗に触れる。
「それに、私は居たくてここにいる訳じゃないです。あとー、彼らの補佐役、大変ですよ。それなりに頭が必要ですし。鞭打ち100回受けて生き延びた命を無駄にしている気がします……」
「そういう態度がムカつくのよ。……1度、先輩が指導してあげるわ」
「暇なんですか？私如きに割く時間なんか勿体無いですよ。時間は有限ですし、もっと賢い時間の使い方をしませんか？」
限界だった。リーダー格の女が1歩前に出て、Aの頬を平手打ちした。大きな音が中庭に響く。
「……手を上げるのはどうかと思います」
「意見するの!?」
「そうですね。何か嫌なことでもありましたか？話聞きましょうか？」
「嫌なことの原因は貴方なのよ!!!!」
それでようやくAは気づいた。そして心外だという顔を浮かべる。
「……私たち面識ありましたっけ」
「……もう1発っ」
女が振り上げた手はAの頬に当たることは無かった。
「何……しとるん？」
「ショ、ショッピ様ぁ」
「おや、ショッピさん。最近はよく会いますね」
腫れた頬を隠さずにAが少し嬉しそうに笑う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1002人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
通行人G - 感想ではなくすみません！他アプリなのですがプリ小説に同じのをあげていますか?同じのを見つけてしまいまして... (1月24日 2時) (
レス) @page1 id: c45e3cd912 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - クサイ演技やなぁで、俺も乗っかったる…つまりknさんもあれは演技…？めっちゃ気になる！！！！ (2022年1月13日 13時) (レス) @page50 id: b03ee76d2f (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - うぅぅ…sm〜〜(泣)早く真相が知りたい…何かの演技なんでしょう…！？そうと言ってぇ！！(泣)(なんか、お話に影響受けてか、ドラマみたいになった…) (2022年1月13日 0時) (レス) @page50 id: 90d5684779 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - knさん…いや、私はknさんを信じます。でも。。。泣けるよぉ( ；∀；) (2022年1月12日 23時) (レス) @page50 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
ライ@Mallow - 嗚呼…泣いちゃうよぉ…。でもknsmさんの事だからどうにかして一番良い方法取るんだろうな…信じてますよぉ……(号泣)(やっぱり貴方様最高) (2022年1月12日 21時) (レス) @page50 id: 74ae029d2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月5日 18時
